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倉敷市が仮想デスクトップ基盤にFlexPodを採用、約1000台の端末環境を支えるインフラに

 ネットアップ株式会社は16日、岡山県倉敷市が、NetAppストレージを搭載した事前検証済み統合インフラ「FlexPod」を、仮想デスクトップ基盤に採用したと発表した。約1000台の端末環境を支えるインフラとして利用されている。

 倉敷市では2004年からシンクライアントシステムを導入してきたが、そのシステムを支える仮想サーバー群でWindows Server 2003を利用しており、そのサポート終了が迫っていることや、利用アプリケーションとシンクライアントシステムとの互換性の欠如などを課題として抱えていた。

 そこで今回、従来のシンクライアント環境と同水準の高度なセキュリティ、運用管理性の維持や、多様なユーザーニーズに応えられる柔軟性に優れたソフトウェア環境と、優れたパフォーマンスを備えたクライアント環境の構築、そして長期的な総所有コスト(TCO)の削減といった目標を掲げ、新システムの選定を行った。

 その結果、これらの要件を満たす端末環境として仮想デスクトップソリューションの導入を決定。倉敷市では、2014年6月に仮想デスクトップ基盤の構築作業を開始し、同年10月より利用を開始した。

 構築した仮想デスクトップ基盤は、ハイパーバイザーとしてVMware vSphere、仮想デスクトップ管理ソリューションとしてVMware Horizon Viewを採用。それらを支えるサーバーとネットワークスイッチにはCisco UCS製品を、ストレージシステムにはNetAppのclustered Data ONTAPを搭載したNetApp FASシステムを組み合わせることで、事前検証済みの統合インフラであるFlexPodのシステム構成を採用している。

 この中のストレージシステムでは、2ノード構成のストレージクラスタを2セット組み合わせたNetApp FAS8020Aが導入されており、NetApp独自のデータ重複排除機能「NetApp Deduplication」によって、40%以上の重複排除率を達成。データ保管コストの最適化を実現した。

 また、SSDベースの高速キャッシュソリューション「Flash Pool」により、ユーザーのログオンが集中する時間帯や夜間に実施されるウイルススキャンの処理中でも、高いストレージ性能を実現している。倉敷市は、こうした高いストレージ性能や重複排除機能を活用することで、ストレージシステムに余裕を持たせることができたため、将来の仮想デスクトップ端末の台数拡張にも対応可能になったとしている。

石井 一志