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3Dデータを埋め込んだ「3D PDF」、キヤノンITSが受託制作

3D PDFドキュメント

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は7日、3Dモデルデータから3D PDFドキュメントを制作する受託型の「3D PDFドキュメント制作サービス」を開始した。

 従来製造業などでは、設計・製造部門で作られた3Dデータが部門内にとどまり、CADソフトを持たないサポート部門や商品企画部門などでは3Dデータが活用されにくいといった状況があった。このため、サービスマニュアルや商品カタログ制作の際には、サポート部門や商品企画部門がほかのグラフィックソフトを使って画像を作り直すなど、非効率な業務が発生していたという。

 3D PDFは、CADソフトなどで作成した3Dデータを、Adobe Reader上でインタラクティブに操作・再生できるように埋め込んだPDFドキュメント(サンプルデータ)。ユーザーが見たい角度で3Dデータを表示したり、3Dデータにアニメーションを加えて再現するなど、3Dデータを活用した表現力豊かなコンテンツをAdobe Readerだけで閲覧できる。ファイル容量も小さいため、さまざまなシーンで3Dデータの活用が可能になるとしている。

 キヤノンITSは、MR(複合現実感)システム「MREAL」やCAD/CAM/CAE/PDMの販売、関連するコンサルサービスやシステム設計など、設計・製造分野において幅広く3Dソリューション事業を展開している。その経験とノウハウを生かし、今回の「3D PDFドキュメント制作サービス」を提供。3DデータのPDFコンバートやアニメーション機能を付与した見栄えのよい3D PDFドキュメントの制作などを代行する。

 繁雑な作業を代行し、情報を安全に管理しながら、事前ヒアリング、データ検証、制作作業、編集加工作業など一連の作業を責任を持って迅速に行うとしている。制作以降のデータ管理に関するコンサルやシステム開発なども請け負う。

 今後はさらにサービスを拡充し、3D PDFの制作および関連サービスで3年後に3億円の売り上げをめざす考えだ。

川島 弘之