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大林組、実際の風景に3DCGの建築物を置いて完成イメージを事前確認
キヤノンITSの複合現実感システム「MREAL」導入
(2015/3/19 06:00)
キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は18日、株式会社大林組にMR(複合現実感)システム「MREAL(エムリアル)」を導入したと発表した。大林組は現実の風景の中に3Dモデリングされた建築CGを合成し、建築物のイメージ共有を加速。2014年に手がけたキヤノンの川崎新事業所の建設で実際に活用され、円滑なプロジェクトの推進に貢献したという。
大林組は、建設工事や不動産事業だけでなく、近年はエンジニアリングや再生可能エネルギーによる発電事業も手がけ、技術を核とした事業展開を図っている。2012年にはバーチャルリアリティ技術の調査、研究を本格的に取り組むチームを編成したが、関係者間で建築物のイメージをより正確に共有するためには、モニターやプロジェクターを用いるだけでは不十分だったという。
MREALでは、周囲の風景と建築物の3DCGを利用者の立ち位置や支援の動きにあわせリアルタイムに映像を合成できる。実際の建築現場に仮想の建築物を配置して、人が位置や視線の角度を変えながら確認するという体験を実現する(参考記事)。
図面やデータではなく3D映像を見ることで、設計やデザインを直感的に確認したり、周囲の建築物と比較するなど、建設前に発注者・関係者間でより正確なイメージを共有できるようになった。
また、インテリアを検討する際に色や形のバリエーションをMREALを用いて現地で確認してもらうなど、発注者の意志決定の迅速化にも寄与するという。
今後は外観や室内のみならず空調配管や耐震構造など、表からは見えない箇所の確認への活用が検討されている。言葉や図でしか説明できなかった構造的な部分もMREALを利用すれば、直感的かつ体感的に理解でき、現実を超えるプレゼンが可能になるとしている。
コンサル・構築・運用サポートはキヤノンMJとキヤノンITSが担当。2014年には建築・意匠分野の3DCADソフト「Vectorworks」の国内販売を手がけるエーアンドエーをキヤノンMJグループ傘下に加え、MREALとVertorworksの連携による3Dソリューションの強化を進めている。MREALの現在の主要顧客は製造業とのことだが、今後は設計・施工・プレゼンで3Dデータの業務活用が進む建設業にも提案を強める考え。