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NEC、通信事業者向けトラフィック制御ソリューションを強化

「快適さ」を第3の指標に、より総合的な性能分析を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は23日、通信事業者の収益向上を実現する通信トラフィック制御ソリューション「Traffic Management Solution(TMS)」を強化すると発表した。今回の強化では、モバイルデータサービスのネットワーク性能を、「つながりやすさ」「速さ」「快適さ」の3つの指標で数値化し、改善点を明確化する機能を新たに提供するという。

 「TMS」は、利用者の体感品質(Quality of Experience:QoE)を高め、モバイルインターネットサービスの利用を促進することで、通信事業者の収益向上に貢献するソリューション。従来、ネットワーク性能の分析には、接続エラーになりにくい「つながりやすさ(接続率)」と、少ない待ち時間でファイルなどをダウンロードできる「速さ(スループット)」を用いることが一般的だった。今回はここに「快適さ(MOS:Mean Opinion Score)」の指標を加えることで、より総合的な診断が可能になったとのこと。

 また、診断結果に基づき、ネットワークのチューニングやトラフィック流量制御などの対策を行うことで、利用者のQoEを高め、効果的に改善できるようにする。

 さらに、昨今のモバイルインターネットサービスでSSL通信の利用が増えている点に対応。一般的なトラフィック制御ソリューションでは困難だった、SSL通信の流量制御を行う機能も提供する。具体的には、SSL通信の種別を高精度で推定する独自のアルゴリズムを開発し、SSLによる動画トラフィックを自動で検出して、適切にトラフィック流量制御を行えるようにした。

石井 一志