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中小企業向けERP「SAP Business One」新版、詳細なリソース管理が可能に

 SAPジャパン株式会社は13日、中小企業向けERPパッケージの新版「SAP Business One 9.1」、および「SAP Business One, version for SAP HANA 9.1」を提供開始すると発表した。

 「SAP Business One」は、中小企業向けに特化し、財務会計、販売・仕入れ・購買・在庫管理、顧客管理、営業支援保守サービスなど、基幹業務を統合して管理できるERPパッケージ。一方のSAP Business One, version for SAP HANAは、インメモリデータベースのSAP HANAを基盤として提供されるSAP Business Oneである。

 今回の新版ではまず、新規の「リソース」モジュールが導入され、製品生産時の労務や生産用機械などのリソースを管理できるようになった。リソースマスタデータで労務や機械の日次能力時間を設定して、部品構成表や製造指図で使用するリソースに指定すれば、リソースの実行時間を計算し、リソース原価構成品目を設定できる。これにより、生産における能力のボトルネックをあらかじめ解消できるため、より正確な製造コストの管理が可能になるという。

 さらに、画面インターフェイスの詳細カスタマイズ機能が追加され、使用しない画面項目の完全非表示や項目表示位置の変更、タブページの統合・非表示などを、ユーザーレベルで行えるようになった。

 このほか、複数支店機能の追加により、会社内の複数支店を単一の会社データベース内で管理できるようにしている。この機能では、本支店間および支店間での取引を仕入れと出荷の形式で処理し、特定のマスタデータを特定の支店間取引に固定することできるとのこと。

 またSAP Business One, version for SAP HANA 9.1では、HTML5ベースのUIアプリ「SAP Fiori」にもとづいた新規のコックピット機能が追加された。SAP HANAを基盤としたパーベシブダッシュボードを構築し、業務のロール別に見やすく表示できるほか、複数のダッシュボードを組み合わせた複合ダッシュボードから、別の洞察や伝票起票画面などの別アクションを起動でき、業務の効率化と正確な意思決定を向上させるとしている。

石井 一志