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NEC、顔認証技術を利用した本人確認システムをテイパーズに提供

コンサートのチケット転売防止や円滑な入場を実現

 日本電気株式会社(NEC)と株式会社NEC情報システムズは5日、アーティストのファンクラブ運営管理業務やチケッティング業務などを行う株式会社テイパーズに、顔認証技術を利用した本人確認システムを提供すると発表した。

 NECの顔認証エンジン「NeoFace」や、カメラ搭載のタブレット端末などから構成されるシステムを、テイパーズがチケット発券システムと組み合わせて利用。コンサートのチケット転売防止や来場者の円滑な入場を実現する。

 テイパーズでは、12月下旬にさいたまスーパーアリーナで開催されるももいろクローバーZのコンサートなど、各種のイベントで同システムを利用する予定。

 従来、コンサート来場者の本人確認を行う際は、チケット券面に記載された購入者の氏名と来場者の顔写真付き身分証明書、来場者の顔を目視で確認していた。しかし、身分証明書の貸し借りや偽造などにより、転売チケットでも入場されてしまう危険性があった。

 今回のシステムでは、チケット購入時にウェブ上の会員ページなどで登録した購入者の顔画像と、イベント当日に会場においてカメラ搭載のタブレット端末で撮影した来場者の顔画像を照合することで、本人確認を実施。これにより、来場者の正当性を確認するとともに、チケットの転売防止を実現する。

 カメラ搭載のタブレット端末には、チケット購入者の顔画像から特徴量を抽出したデータベースを事前に組み込むとともに、端末の台数をイベント規模に応じて用意することで、数百人規模から10万人規模のイベントまで対応可能。従来の顔写真付き身分証明書を用いた目視での本人確認方法と比較して、確認時間が最大30%短縮可能で、大規模イベントにおいても来場者の円滑な入場を実現。来場者も顔写真付き身分証明書を持参する必要がなくなる。

チケット本人確認の手順
会場での利用イメージ

三柳 英樹