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「MotionBoard」で設計現場主導の“カイゼン”に取り組むデンソー

 株式会社デンソーの電子機器事業グループが設計現場主導の“カイゼン”の仕組みのため、情報活用ダッシュボード「MotionBoard」を導入し、開発工程を管理する多様なKPIの実績を見える化した。ウイングアーク1st株式会社が3日、発表した。

 自動車部品のサプライヤーであるデンソー。電子機器事業グループでは、自動車エンジン制御用システム「エンジンコントロールユニット(ECU)」の開発を担当しており、ソフトウェア開発においてもコスト競争力を強化するため、開発原価管理や設計プロセス改善などに取り組んでいる。

 今回のシステムは、約6カ月間の開発期間を経て、2013年4月に稼働した見える化システム「LIBRA」というもので、経営層から部門長級、室長・課長級、現場設計者まで各人が必要とするKPIレポートを作成するためのデータ集計と分析のインフラとして機能する。

 具体的には、社員工数や売り上げ、経費、プロジェクト情報、成果物、人事情報まで社内に点在する情報を自在に加工・分析して施策の進ちょくを把握し、現場の“カイゼン”に役立てるという。

 従来は、Excelを使って個人ごとの工数計測シートに入力していたが精度が低く、月次の集計レポート作成に4人月の工数がかかっていたという。今回のシステム化により集計作業が自動化され、データ集計コストはゼロに。施策の良否判断も容易になり、「効果」の見える化が可能になったとのこと。

 今後の展開として、すでに他事業部への展開も始まっており、デンソーにグローバルに根付く“改善”ではなく“カイゼン”の風土を生かし、さまざまなデータをグループ内で共有・活用することで“カイゼン”のスピードアップ、およびこれまで踏み込めなかった領域にもメスを入れ、さらなるデータ活用を推進する予定という。

川島 弘之