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電通、データ解析基盤「Dentsu.io」――マーコムの高速PDCAを支援

トレジャーデータおよびクラスメソッドと協業

 株式会社電通は12日、米Treasure Data(以下、トレジャーデータ)およびクラスメソッド株式会社と協業し、クラウドを活用したマーケティング・コミュニケーション(以下、マーコム)の高速PDCAを実現するデータ解析プラットフォーム「Dentsu.io」の提供を開始した。飲料、食品、自動車、化粧品、リテール、エンターテインメントなどの企業を対象とする。

 電通によると「デジタル化の進展や消費者行動の多様化に伴い、マーコム活動を通して得られるデータは日々増大。それらのデータをPDCAの中で有効に活用するためには、ビッグデータの高速処理基盤に加え、企業の意志決定をサポートする適切な管理指標の可視化が必要となる」。

 その実現のため3社が共同し、マーコムのワンストップ高速PDCAを実現するプラットフォームを構築した。Dentsu.ioでは、大容量の購買取引データ、Web閲覧データ、各種のアプリ屋モバイル端末のログデータ、センサーデータ・マシンデータなどさまざまな非構造化データをクラウド上で収集・保管・分析し、容易な操作でマーケティングの実践に“使える”形で取り出せる。データの取得先や接続先を柔軟に変更できるため、顧客ニーズに合わせて容易にカスタマイズすることも可能という。

 さらに、定期的なデータの自動処理プログラムに加え、ダッシュボードから膨大な元データに対して直接集計指示が出せるため、店舗別の売上や広告メニュー別のコンバージョン数といった重要なデータを数秒以内に取得できる。また、マーコムの高速PDCAを実現するための管理指標を、顧客の課題や電通の知見を基に事前設定・アップデートすることで、ダッシュボード上に必要な指標データがリアルタイムで可視化され、その結果を関係者に自動配信するレポート機能も備えるという。

 3社の役割として、電通は顧客が抱える事業課題の洗い出しと管理指標の設定、トレジャーデータは多様なビッグデータをクラウド上で高速処理するデータマネジメントの提供、クラスメソッドは各種データベースやプロダクト間の連携を図る分析基盤の構築・運用を担当する。

川島 弘之