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HP自身の運用ノウハウを活かした商用版「Helion OpenStack」
プロフェッショナルサポート部門も新設、サービス提供へ
(2014/10/29 06:00)
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は28日、OpenStackの商用ディストリビューション「HP Helion OpenStack」を、11月25日より販売開始すると発表した。また、プロフェッショナルサポート部門「HP Helion OpenStack Professional Services」を新設するとともに、サービスの提供も開始するとのこと。
HP Helion OpenStackは、オープンソースのOpenStackをベースにHPが提供する商用ディストリビューション。同社では5月に、無償のディストリビューション「HP Helion OpenStack Community」を提供しているが、HP Helion OpenStackは、スケールアウトが求められるプライベートクラウドや、サービス事業者での利用を想定しており、「いかにお客さまが楽に、かつ安心してクラウドを構築できるか」という点を主眼に、HA機能や負荷分散など、運用に必要な機能を実装しているという。
仮想環境についても、VMware ESXiをサポートするなど、無償版にはない機能を拡張。ハードウェアはHP以外に、IBMとDellのサーバーに対応する。
日本HP クラウドビジネス統括本部の春木菊則統括本部長は、「HPはすでにOpenStackベースでクラウドを提供しており、ナレッジとノウハウがある。OpenStackでクラウドを作りたい方々、あるいは環境を作ってサービスを提供したい方々に価値があるソリューションだ」と、HP Helion OpenStackが持つ意義を述べた。
また、さまざまな先進機能を取り込んでいる点も特長。4月にリリースされたOpenStack Icehouseをベースにしているものの、Neutron DVR分散仮想ルータなど、10月にリリースされたばかりの最新バージョンJunoの機能を取り込んでいる。
価格は物理サーバー単位の課金体系を採用。年間サブスクリプション形式で提供され、1年間のテクニカルサポートが付属する。対応時間が標準時間の場合は、サーバー1台あたり年間12万9000円(税別)から、24×7対応の場合は年間23万6000円(税別)から。なお、HP Helion OpenStack Communityについても、サーバー1台あたり年間9万7000円(税別)からで、標準時間のテクニカルサポートを提供開始する。
「HPではJunoのコードを21%書いているし、多数のプロジェクトをリードし、コミュニティに貢献している。こうした点からも、サポートの強さを見て取れる」(春木氏)。
一方、プロフェッショナルサポートについては、テクノロジーアセスメントから、設計と検証・構築、OpenStack環境への移行までをトータルにサポート。OpenStack対応ストレージやバックアップ、ファイル共有といった周辺部分までを含めて、さまざまなメニューを用意し、ユーザーを支援するとのこと。
また、「クラウドを構築されるお客さまは1つの国にとどまっていないケースがほとんどで、グローバル対応が必須」(執行役員 テクノロジーコンサルティング事業統括 兼 Director, APJ OpenStack Professional Services、有安健二氏)という観点から、ワールドワイドでOpenStack関連の技術者を採用・増員。日本を含むアジア太平洋地域においても、北京、東京、シンガポールに拠点を設け、今後さらに拡大していくとした。