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日本HP、最大12TBメモリを搭載できるSAP HANA向け統合システム「CS 900」

HP ConvergedSystem 900 for SAP HANA Scale-up Configurations

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は24日、SAP HANAに特化した統合型システム「HP ConvergedSystem 900 for SAP HANA Scale-up Configurations」(以下、CS900)を発表した。日本HPによれば、業界最大のスケーラビリティを備えているとのことで、ミッションクリティカル領域での利用に適しているとのこと。

 日本HPでは4月に、アプリケーション稼働環境を迅速に構築できる統合型アプライアンスシステム「HP ConvergedSystem」を発表しているが、「CS900」はその最新モデル。SAP HANAを基盤として利用する「HP ConvergedSystem 500 for SAP HANA」をさらに大型化し、ビッグデータ分析のみならず、SAP Business Suite powered by SAP HANAのような基幹システムでも利用できる拡張性と信頼性・可用性を備えているという。

 具体的には、シングルメモリプールで最大12TBのデータを提供できるSAP認定を取得しており、ほとんどのミッションクリティカルなビジネスアプリケーションに適用可能。1台のシステムで膨大な量の多種多様なデータセットを管理・分析し、ビジネス上の意思決定をリアルタイムで行えるとした。

 CPUについても、Xeon E7 v2シリーズを最大16ソケット(240コア)までの拡張性を提供。自社開発のXNC2チップセットによってCPU間通信のオーバーヘッドを削減し、高速通信を実現しているとのことで、SPECjbb2013ベンチマークでは、4ソケットx86サーバー「DL580 Gen8」と比べて、8ソケットモデルで2.3倍、16ソケットモデルで4.4倍の高い性能を達成した。

「CS900」の概要
独自チップセットにより、CPU間通信のオーバーヘッドを削減

 一方で可用性の面では、DIMM上のDRAMが2つ故障してもシステムに影響を与えないほか、1ビットのエラーも吸収できるDouble Device Data Correction(DDDC+1)により、メモリの交換頻度を1/17まで低減するという。またSAP HANAに最適化されたクラスタリングソフト「HP Serviceguard for Linux」により、冗長化した「CS900」間でリアルタイムのフェイルオーバーを可能にするとのこと。

 サポートも、日本HPが一次窓口としてワンストップサポートを提供する体制を整備。問題発生時はSAPと協調して対応することで、ユーザー企業の負担を軽減する。

 導入作業・保守サービスを含めた参考価格は、上位機の16ソケット/12TBモデルが5億5913万9000円から、下位機の8ソケット/6TBモデルが2億9515万円から。また、スケールアウトにより最大96TBまでの拡張を行えるモデルが、7億7721万円からとなる。

可用性を高めるメモリ保護機能
日本HPによるワンストップサポートを提供

石井 一志