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Microsoftのサティア・ナデラCEO、開発者向けイベントに登場

自社のコアは「プロダクティビティとプラットフォーム」

米Microsoftのサティア・ナデラCEO

 日本マイクロソフト株式会社は2日、開発者向けイベント「de:code Special Edition 」を開催。その基調講演セッションで、米Microsoftのサティア・ナデラCEOが登壇し、「Microsoftのコアは、プロダクティビティとプラットフォームだ」というメッセージを繰り返し発信した。

 ナデラ氏のセッションは、日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー エクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長、伊藤かつら氏との対談形式で進められた。

 ナデラCEOがコアの1つとしたプラットフォームについては、「開発者とって非常に魅力的なものを構築することにより、皆さまが既存のコードやインフラを、当社のプラットフォームに持ち込んでいただく。ユニバーサルWindowsアプリ(Universal Windows Apps)や高度のポータビリティは非常に重要で、皆さんが最大限に能力を発揮できるようにアセットを使っていただきたい」とする。

 そのために、MicrosoftではPCからタブレット、(日本ではWindows Phoneはまだ出ていないが)スマートフォンまでを幅広くそろえていること、またユニバーサルWindowsアプリにより、デバイスの種類ごとにアプリケーションを作る手間を大幅に省略できることなどをメリットとして挙げる。バックエンドについても、Windowsストアによる配信や、Microsoft Azureをはじめとするクラウドによって、グローバルでさまざまなリソースを提供可能となった。

 しかし今のMicrosoftは、自社だけで世界が完結するとは考えていない。ナデラCEOは、「Windows AzureではすべてのOSに対応する。その25~30%はLinuxが動作しているし、プライベートクラウドですら、Linuxをサポートしている。皆さんの持っている資産を最大限に活用していただき、素晴らしい仕事をしていただきたい。(開発者に対して)一番広いチャンスを提供しているのが当社だと思っている」と述べたほか、伊藤氏も「素晴らしいアイデアを開発者が思いついた時に、それを形にできるのがVisual Studioだ。しかし、それを実装する先はWindowsかもしれないし、ほかのプラットフォームかもしれない。それでいいと思っている」と、オープンな姿勢をアピールした。

ナデラCEOのセッションは、日本マイクロソフトの伊藤かつら氏との対談形式で進められた
Microsoftのコア

 昨日発表されたWindows 10については、「モバイルファーストを考えると、1つのデバイスだけではない。携帯電話からPC、TVへと利用するデバイスを変えながらも、一貫性のある体験ができる。法人市場でも一貫性が重要で、セキュリティやデータ管理を、すべてのフォームファクタで実現することが必要になる。また、もっとも重要なのはユニバーサルWindowsアプリ。マウスでもタッチでも音声でも、さまざまなフォームファクタにまたがってリッチな体験を提供する。そこには、開発者に対するチャンスがある」と言及。「待つ必要はない。すでにプレビューを開始している」と述べ、開発者にテクニカルプレビューへの参加を呼びかけた。

 さらに、Windows Phoneについて伊藤氏から質問されたナデラCEOは「いつも話題になっている。日本では、SurfaceだけでなくNEC、富士通といったOEMベンダーによってタブレットのシェアが伸びているので、Windows Phoneでも期待を持っている」と述べたが、特に具体的な予定等については触れなかった。

石井 一志