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次期Windowsは「Windows 10」、米国時間10月1日よりTech Previewを開始

キーボード/マウスでの使い勝手を向上、2015年後半のリリースを予定

 米Microsoftは9月30日(米国時間)、次世代Windows OSとなる「Windows 10」のTechnical Previewを、10月1日より開始すると発表した。次世代Windows OSとしては、Windows 9になるとウワサされていたが、最終的にはWindows 10という製品名になっている。

 Windows 10は、組み込み向けのIoT、スマートフォン(Windows Phone)、タブレット、デスクトップPC、サーバー、Xboxなど、すべてのデバイスを単一のOSでカバーするモノだ。このため、デスクトップPC向けに開発したアプリが数行の変更でほとんどのプラットフォームで動かすことが可能になる。

 Windows 8/8.1でタブレットなどのタッチ中心のユーザーインターフェイスに振ったが、Windows 10では、キーボード/マウスなど、デスクトップインターフェイスでの使いやすさにフォーカスがあてられている。

 そのため、Windows 7などにあったスタートメニューが復活した。ただし、旧来のスタートメニューではなく、サイドにはWindows 8のスタート画面に表示されていたライブタイルが表示される。

 また、Windows 8/8.1ではWindowsストアアプリは全画面表示が基本だった。しかし、Windows 10では、デスクトップ画面の1つのウインドウとして起動できるようになった。これにより、デスクトップ画面上に複数のWindowsストアアプリを起動し、表示することが可能になった。Windows 8/8.1では、複数のWindowsストアアプリを縦に分割して表示していたが、Windows 10では画面を縦横に4分割して、Windowsストアアプリを表示できる。

 これ以外に、デスクトップ画面を仮想的に切り替えるマルチデスクトップなどの機能が追加されている。

Windows 10のデスクトップ画面。スタートメニューが復活し、Windows 8/8.1のライブタイルがドッキングしている
Windows 10は、IoTからデスクトップ、サーバー、XboxまでをカバーするOSになると表明する、Microsoft OS部門のエグゼクティブ バイスプレジデント、テリー・マイヤーズ氏
Windows 10には、デスクトップ画面を仮想的に切り替えるマルチデスクトップの機能が用意されている
デスクトップ画面でWindowsストアアプリがウインドウで起動する。複数のWindowsストアアプリを切り替えるのに、デスクトップ画面に起動しているWindowsストアアプリのサムネイルが表示されている

 今回の発表では、ビジネスやエンタープライズで使われる機能を中心として紹介された。特に、キーボード/マウスを利用するパソコンにおけるWindows OSの使い勝手が向上している。タブレットなどのタッチデバイスにおける新機能などは、このイベントでは明らかにされなかった。ただ、Windows 8/8.1を引き継いだモノになるだろう。

 このように、Windows 10は、デバイスの特性によって異なる使い勝手を提供するOSになることが予測されている。Windows 8/8.1において企業での導入が控えられる状況を打開するために、Windows 7以前への回帰が行われるということだろうか。

 なおWindows 10のリリーススケジュールとしては、10月1日にTechnical Previewを開始する。日本マイクロソフトのWebサイトにもページが用意されているため、日本時間では10月2日に日本語版も提供されるだろう。ただ、今回のテックプレビューは、デスクトップPCやノートPCなど、キーボード/マウスがメインとなっているPCを対象としている。

Technical PreviewのWebページに日本語ページが用意されているため、日本語版のWindows 10の提供も行われるだろう

 またTechnical Previewでは、クライアントOSだけでなく、少し遅れてサーバーOSも提供される予定だ。

 Microsoftでは、2015年の早い段階でタブレットなどのコンシューマ向けのプレビューを開始し、2015年春には開発者カンファレンスのBuild 2015を開催し、開発者向けにWindows 10の詳細機能などを紹介する。Windows 10のリリースに関しては、2015年の夏ごろと予想されている。2015年の秋には、Windows 10をプリインストールしたタブレットやPCがリリースされることになるだろう。

山本 雅史