ニュース

FRONTEO、DX推進に向け多様な非構造ドキュメントデータを解析するAIソリューション「KIBIT Libria」を提供

 株式会社FRONTEOは9日、企業内に埋もれた情報資産を整理・活用し、組織のナレッジマネジメントを支援する新ソリューション「KIBIT Libria」を提供開始した。ソリューションは製造業、建設業など計7企業で実証実験が行われており、現在、本格導入に向けた検討が進んでいるという。

 KIBIT Libriaは、FRONTEO自社開発の特化型AI「KIBIT」のコア技術である自然言語処理を活用し、社内に散在するさまざまな非構造ドキュメントデータを使えるデータ資産として再構築するソリューション。「社内にノウハウやデータは存在するものの十分に活用できておらず、会社の資産になっていない」という多くの企業が抱える課題を解消し、データドリブン経営の実現を支援する。

 FRONTEOでは、複雑な組織構造、レガシーシステムによる弊害、部門間のセクショナリズムなどにより、社内データは部門・システムごとに分断され、横断的なアクセスや統合的な整備が進んでおらず、その結果、意思決定の経緯や専門知識など、企業価値向上に資する重要な情報が埋もれ、企業の知的資産として十分に活用されていない状況が続いていると指摘する。

 KIBIT Libriaは、こうした課題を解決するため新たに開発したもので、非構造ドキュメントデータを効率的に整理・評価し、企業内に蓄積された知見を価値あるナレッジとして可視化・再利用することで、知見の共有、業務プロセスの高度化・標準化、属人化の解消、意思決定の質とスピードの向上を実現し、意思決定の質とスピード向上を実現し、企業の生産性向上に寄与する。

 専門知識なしでも使える自然言語処理機能で、非構造ドキュメントデータの探索基盤を構築する。PDF、多様な形式のオフィス文書(Word、Excelなど)の取り込み、加工、網羅的な探索を実現。類義語登録やストップワード登録も容易で、専門知識がなくても運用可能な設計とし、データ投入時に生成AIを活用し、データ整備にかかる手間を削減する。

 KIBITによる類似文書検索で「埋もれた情報」を発見でき、単なるキーワード検索とは異なり、文書全体の類似性をAIが解析し、関連資料を探索する。「言い回し」が異なる資料でも、内容の近さから関連資料を抽出し、探索漏れを防止する。テキスト全体を対象として網羅的に関連性を評価し、これまで見落としていたナレッジを発掘する。

 専門用語や固有表現の多い領域でも、FRONTEOが導入・運用を支援し、高精度な情報探索と判断支援を実現する。領域特化型ナレッジベースを構築し、一般的な生成AIで発生しがちなRAG課題による探索精度の低下を回避。企業固有の専門的な文脈を反映した運用により、正確な探索とナレッジ発掘を実現する。

 蓄積されたナレッジをQAデータ化することで、教育コンテンツ化を推進し、社内教育や技能伝承に活用できる。暗黙知を継続的に蓄積・共有し、持続的な技能伝承の推進を支える知識資産として定着化する。組織のノウハウを一元化し、次世代の人材育成やスキル継承を効率的に展開する。

 今後もFRONTEOは、革新的な独自AIソリューションの研究開発と社会実装を加速させ、企業のDX推進と持続的な成長に貢献していくとしている。