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ノベル、ディザスタリカバリアプライアンスのハイエンドモデルを発表

1台で最大100システムのワークロードに対応

「PlateSpin Forge 700」シリーズ

 ノベル株式会社は28日、ディザスタリカバリアプライアンスの新製品「PlateSpin Forge 700」シリーズおよび、最新ソフトウェア「PlateSpin Forge 11」を9月1日より出荷開始すると発表した。

 「PlateSpin Forge 700」シリーズは、本番環境におけるサーバーの障害・災害時に、物理サーバーと仮想サーバー、両方のワークロードを保護することができるソリューション。従来モデルよりもパフォーマンスと容量を大幅に向上し、中堅企業から大企業をターゲットにしたハイエンドモデルとなっている。

 最新ソフトウェアの「PlateSpin Forge 11」が導入されており、マイクロソフトやVMwareなどの最新OSやハイパーバイザに加え、2TB以上のGPTハードドライブ/ブートドライブを備えた新型UEFI物理サーバーもサポートする。

ノベル 代表取締役社長の河合哲也氏

 この新製品発表にあたり、ノベル 代表取締役社長の河合哲也氏は、「Windows Server 2003のサポート終了やハードウェアの更改時期、また、仮想化によるインフラ統合とコスト削減、セキュリティと可用性の向上などを背景に、データセンターや新しい仮想化環境へのシステム移行が進んでいる。そして、この移行にともなって、バックアップ環境の見直し、およびDR環境の整備を検討するニーズも高まってきている」と、バックアップ市場の現状について説明。

 「バックアップ環境やDR環境の整備にあたっては、多くの企業が4時間以内のRTO/RPO目標を設定している。しかし、従来のシステム二重化、ストレージレプリケーション、テープバックアップといった方法では実現が難しいのが現状。そこで、このRTO/RPO目標を低コストで実現する『第4のバックアップ方法』として、当社が積極展開しているのが『PlateSpin Forge』である」と、「PlateSpin Forge」によって新たなバックアップ方法を確立していくと力を込めた。

 今回の新製品「PlateSpin Forge 700」シリーズでは、中堅企業や大企業向けにパフォーマンスと容量を大幅に向上。既存の「PlateSpin Forge 500」シリーズに比べ、保護対象のサーバーワークロードを最大100台と4倍に拡大した。またハードウェアスペックについても、CPUコア数が16コア ハイパースレッド対応、搭載メモリが128GB、ストレージバックアップ可能領域が20TBに強化されている。

 ノベル テクニカルセールススペシャリスト シニアマネージャーの飯田敏樹氏は、「新製品は、1台で最大100システムのスタンバイ環境を実現し、安全なサンドボックス環境でバックアップから復旧テストまでBCP対策を完結できる業界初のアプライアンスとなっている」と、ほかにはないオールインワン型のバックアップソリューションになっているとアピールした。

 また、あわせて発表した最新ソフトウェア「PlateSpin Forge 11」では、構成ソフトウェアのOSバージョンをアップデートし、マイクロソフトやVMwareなどの最新OSやハイパーバイザに対応した。さらに、バックアップ対象OSを拡充するとともに、フェールバック先仮想化環境の拡充も行っている。新製品の「PlateSpin Forge 700」シリーズでは、すべてのモデルに、この「PlateSpin Forge 11」が搭載されているという。

ノベル テクニカルセールススペシャリスト シニアマネージャーの飯田敏樹氏
「PlateSpin Forge」を使った事業継続概念

 このほか、「PlateSpin Forge 700」シリーズには、仮想化プランニングツール「PlateSpin Recon 4」のライセンスが含まれており、本番サイトにおいて、最大100台のサーバーワークロード(CPU、メモリ、ネットワーク帯域幅、ディスク使用率)を30日間監視することができる。こうした計画・分析データが得られることで、IT管理者は、リカバリ性能とインフラコストの間で最適化を図り、ワークロードの保護を保証しつつ、ディザスタリカバリのSLA(サービス水準合意)を効率的な形で維持することが可能となる。

「PlateSpin Forge」によるデータセンター移行イメージ

 さらに、新製品では、BCP対策の機能に加え、データセンター移行時の「サービス停止時間」を最小化することにもフォーカス。「データセンターの移行に必要となる工程として、まず、旧データセンターで『PlateSpin Forge』の中にシステムバックアップ。次に、新データセンターに『PlateSpin Forge』を移設した後のデータ同期。そして、新プライベートクラウド環境への『PlateSpin Forge』からのデータ移行。この3つの工程を1台のアプライアンスサーバーでシームレスに実現できる」(飯田氏)としている。また、移行テスト機能を活用することで、2015年7月にサポート終了を控えたWindows Server 2003のサーバー移行ソリューションとしても活用できるという。

 河合氏は、「PlateSpin Forge」の今後の販売戦略について、「これまで『PlateSpin Forge』は中堅・中小企業を中心に販売してきたが、ハイエンド向け新製品のリリースを機に大企業にもターゲットを拡大する。あわせて、サービスプロバイダーによる移行サービス、およびRaaS(Recovery as a Service)用のインフラとしても提案活動を強化していく。販売は特定一次代理店を通して行い、発売後12か月間で5億円の販売を目指す」と、さらなる拡販に意欲を見せた。

 「PlateSpin Forge 700」シリーズのラインアップは、「PlateSpin Forge 710」(保護対象の物理/仮想ワークロード数は最大10)、「PlateSpin Forge 725」(同 最大25)、「PlateSpin Forge 740」(同 最大40)の3モデルで、価格はオープンプライス。市場推定価格は756万円からとなる。

唐沢 正和