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KVH、SDN・OpenStackに対応した「プライベートクラウド Type-S」

ネットワーク仮想化でシンプル運用

 KVH株式会社は29日、ミドクラジャパン株式会社のネットワーク仮想化ソフト「MidoNet」を採用した「プライベートクラウド Type-S」を発売した。MidoNetは、SDN/NFV対応のネットワーク仮想化ソフトで、クラウド基盤ソフト「OpenStack」と連携することで、ネットワーク機能も含めたクラウドの統合管理できる。

 KVHのプライベートクラウドサービスにMidoNetを導入することで、高価なネットワーク機器の購入やマニュアル設定をすることなく、シンプルな物理トポロジーで高度な仮想ネットワークの構築が可能となる。これまで必要だったネットワークコマンドラインの習得や、書類での変更手続きも不要となり、顧客自らが複数のネットワーク機器の設定を変更できるため、運用効率が向上するという。

「プライベートクラウド Type-S」では、単一のクラウドコントローラーからAPIを通じてSDNを含む環境全体のコントロールが可能

 また、これまで顧客自ら購入する必要のあった「ロードバランサ」「ファイアウォール」「ルーター」などをプライベートクラウドサービスの機能として取り込むことで、アプライアンス機器の購入を不要としたのも特長で、20~30%のTCO削減も可能とのこと。

 「プライベートクラウド Type-S」は、これまで提供してきたプライベートクラウドサービスのラインアップを拡充するものと位置づけられ、価格は初期費用が100万円(税別)から、月額費用が100万円(同)から。

 なお、将来的にSDN技術を適用するネットワークサービス「etherXEN」や、アジアの主要100のデータセンター(他社含む)間をキャリアクラスのEthernetで接続する「DCNet」と相互連携させるため、プラグインを通じて豊富なAPIに対応するOpenStackを採用した。

 テクノロジー本部 執行役員の濱田義之氏は「KVHが今後クラウドとネットワークサービスを融合した革新的なサービス開発を進める上で、今回のSDN/NFVおよびOpenStackの適用は重要な転換点となる。今後もサービス機能向上のためにオープンイノベーションの活用を加速し、OpenStackコミュニティにも貢献していく」と話している。

川島 弘之