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CA経営戦略、国内で取り組む4つの強化方針

 CA Technologiesは25日、経営戦略説明会を開催。米CA アジア太平洋日本担当プレジデント兼ジェネラル・マネージャのケアス・アレドント氏と、日本法人社長のポール・フォルケンシュタイン氏が登壇し、日本市場において今後、「社員の能力開発」「革新的な製品・取り組み」「パートナー・ビジネスの拡大」「顧客満足度の向上」を強化する方針を打ち出した。

米CA アジア太平洋日本担当プレジデント兼ジェネラル・マネージャのケアス・アレドント氏
日本法人社長のポール・フォルケンシュタイン氏
世界のアプリケーション経済をけん引するAPJ

 CAは、新たに「Business, Rewritten by software(ビジネスはソフトウェアによって書き換えられる)」という企業スローガンを掲げ、中核となる「マネージメント・クラウド」「DevOps」「セキュリティ」の3分野へ投資を強化していく。

 特にAPJ地域を重視する姿勢で、アレドント氏が「APJに存在するアプリ開発者の人数は79万5000人」、「全世界のアプリ売上高でアジアが占める割合は41%」、「2012年12月~2013年12月までのアジアにおけるアプリの売上げ成長率は162%」、「2017年までに達するAPJでのアプリユーザー数は20億5000万人」といった数字を挙げ、「世界のアプリケーション経済をけん引するAPJ」と紹介。

 日本法人社長のフォルケンシュタイン氏は、中核事業の「マネージメント・クラウド」「DevOps」「セキュリティ」に絡めて、「2013年の国内パブリッククラウドサービス市場は、前年比37.4%増の1302億円。2018年にはその3倍の3850億円と予測される」「DevOpsについてのアンケートでは日本の全回答者が、DevOpsによる開発と運用の連携に期待と答え、採用企業は開発・運用コストが17%以上下がったと回答」「2013年の国内セキュリティ市場規模は前年比11.2%増の2476億円。2013年~2018年のCAGRは4.1%で、2018年には7403億円。特にモバイルセキュリティ市場への投資が増加している」といったデータを紹介し、日本市場への意気込みを見せた。

 日本での注力点は「社員の能力開発」「革新的な製品・取り組み」「パートナー・ビジネスの拡大」「顧客満足度の向上」の4点。

社員の能力開発
革新的な製品・取り組み
パートナー・ビジネスの拡大
顧客満足度の向上

 「社員の能力開発」では、2012年10月より将来のリーダー育成を目的に実施している「タレント・ディベロップメント・プログラム」に、今後も投資を続け、社員の能力開発に力を入れる。

 「革新的な製品・取り組み」では、今年度に多くの新製品を日本市場に投入する。すでに4月にはAPIセキュリティ・管理製品「CA Layer 7」、6月にはDevOpsを支援する継続的デリバリー製品「CA Lisa Release Automation」、メインフレーム・クラウド・ストレージ製品「CA Cloud Storage for System z」を投入。さらに第二四半期には、データセンター・インフラ・マネジメント製品「CA DCIM」や、戦略的IT投資管理を支援するモバイルアプリ「CA Clarity Playbook」といった新製品を投入する予定。このほかにも最先端技術を用いた新製品群の投入や、メインフレーム技術者支援のためのメインフレーム・アカデミーの開設といった取り組みを予定している。

 「パートナー・ビジネスの拡大」では、パートナー企業とのリレーション構築の機会として、CAパートナー・エクスチェンジ(CAPE)を今年度中に4回実施。また、システム・インテグレーター、MSP、OEM、コンサルティングなど多角的なパートナー湿布拡大を図る。さらに既存・新規パートナー企業に対し、パートナートレーニングや共同マーケティングを実施。相互の情報交換と信頼を構築し、日本のIT産業全体の活性化を目指すという。

 「顧客満足度の向上」では、顧客企業との関係構築・強化のため、顧客の意見や要望を採り入れ、日本市場のニーズにあった製品・サービスを展開するため、カスタマー・アドバイザリー・ボード(CAB)を実施。今年度は5月に一回目を行ったが、今後も継続する予定とした。

川島 弘之