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フラッシュはHDDを淘汰するか?――ヴァイオリン・メモリーがストレージ戦略語る

米ヴァイオリン・メモリー グローバル・フィールド・オペレーションズ担当上級副社長のトム・ミシェル氏

 超高速フラッシュメモリストレージベンダーのヴァイオリン・メモリー株式会社は7月16日、同社の今後のビジネス・製品戦略について説明する記者発表会を開催した。

 発表会では、まず、米ヴァイオリン・メモリー グローバル・フィールド・オペレーションズ担当上級副社長のトム・ミシェル氏が、ストレージをとりまく市場環境について説明。「昨今、クラウドの普及に伴いデータ量が急増し続けており、最近ではすべてのものがインターネットにつながる『IoT』も伸展しつつある。こうしたなかで、企業のITシステムの大きなボトルネックになってきているのがストレージだ。そのため、高速なパフォーマンスとIOPS、低レイテンシーを実現するストレージを経済的に活用し、いかにアプリケーションを高速化させるかがCEOにとっての重要な課題となっている。また、ハイパフォーマンスのキャパシティを、設置面積を抑えながら、より高密度に導入していくことも求められている」と指摘する。

 その上で「当社はこれまで、ティア0を主なターゲットに高速性を追求したフラッシュメモリソリューションを展開してきたが、今後は、ソフトウェアスタックを拡充させ、企業が抱えるストレージ課題を解決する様々な機能を備えたフラッシュメモリソリューションを提供する。これにより、ティア1以降の新たなマーケットを開拓していく」と、今後に向けたビジネス戦略について説明。「すでに、この数か月間で急速に製品ラインアップの拡大を図っており、6月にはエンタープライズ向けデータサービス統合ソフトウェア『Violin Concert』を搭載した新製品『Violin Concert 7000 All Flash Array』を投入している」と、製品ラインアップの強化を急ピッチで進めているとした。

「Violin Concert 7000 All Flash Array」の概要

 新製品の「Violin Concert 7000 All Flash Array」では、同期・非同期レプリケーション、複数拠点をまたぐストレッチメトロクラスタリング、スナップショットやシンプロビジョニング機能、論理ボリュームの容量拡張など、最先端のビジネス継続性、データ保護、ストレージスケーリングおよびデータ効率性を実現する機能を搭載。また、マイクロ秒(100万分の1秒)級のレイテンシー、1トランザクションあたりコストの低減、20倍のアプリケーション応答時間の高速化、そして9割の設置面積や消費電力の削減を実現。「これによって、エンタープライズやクラウドサービスプロバイダーは、オールフラッシュのデータセンターを構築することが可能となり、データセンター資源を迅速に統合し効率よく運営できるようになる」(ミシェル氏)としている。

 なお、米国では最新ソリューションとして、必要な分だけキャパシティを購入できる「Pay-As-You-Grow」を発表。同ソリューションでは、16TBの小規模構成から利用することが可能で、データ量の伸びにあわせて8TBのエレメントを追加できるという。「このほか、Microsoft Windows Storage Server 2012 R2を組み合わせたソリューション『Windowsフラッシュアレイ』についても、新たなリリース発表を行う予定」と述べた。

ヴァイオリン・メモリー 代表取締役社長の安田稔氏

 日本市場の戦略については、ヴァイオリン・メモリー 代表取締役社長の安田稔氏が説明した。「日本法人は、2012年6月に設立し、2年間での国内における導入実績は40社以上となっている。販売代理店は、SCSK、東芝 クラウド&ソリューション社、マクニカネットワーク、NSDの4社。また、伊藤忠テクノソリューションズとネットワンパートナーズの2社が販売パートナーとして活動している。とくに、データベースやデータ分析、バッチ処理の高速化などのニーズにフォーカスして販売展開を行ってきた」という。

 「こうした実績をベースに、今後はハードウェアとソフトウェアの統合を進める本社の製品戦略にあわせて、日本市場においてもさらに幅広いマーケットへ拡販を進める。この中核製品と位置づけているのが、『Violin Concert 7000 All Flash Array』と『Violin Maestro 2510』。『Violin Concert 7000 All Flash Array』は、今まで提供できていなかったデータマネジメント機能を網羅している。『Violin Maestro 2510』では、キャッシュサーバーを利用することで非常に高速なストレージ性能を実現するとともに、データ移行も不要となっている。これらの製品によって、積極的に新たなユーザーを開拓していく」との考えを示した。

 「ソフトウェアスタックを拡充したフラッシュメモリストレージの投入により、日本でもハードディスクを使わない『シリコンデータセンター』への流れが加速していくと考えている。そして、フラッシュメモリのさらなる進化にともない、将来的には、ティア0やティア1にとどまらず、ティア2、ティア3、ティア4の領域まで、当社製品の適用を広げていきたい」と、安田氏は、将来ビジョンについても語った。

唐沢 正和