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マップアールの戦略、Hadoopポータルサイト「MapR App Gallery」など紹介

MapR CEOのJohn Schroeder氏

 Hadoopディストリビューションのマップアール・テクノロジーズ株式会社は9日、Hadoopエコシステムのパートナーが開発する広範なソリューション(Hadoop対応アプリ)を集めたポータルサイト「MapR App Gallery」を発表した。

 マップアールはHadoopディストリビューション「MapR」を提供する企業。2013年に日本法人を設立し、現在25社の国内導入企業を抱える。米国では2000台のサーバーをスケールアウトさせた大規模な環境や、ミッションクリティカルなアプリケーションの基盤として導入が進んでいるという。

 MapRがもたらすメリットについて、MapR Technologies Vice President Asia Pacific & JapanのMartin Darling氏は、「テラバイト単価を比べた場合、従来のエンタープライズストレージが9000ドル、データベース・データウェアハウスが4万ドルなのに対して、MapRは1000ドルと非常に安価」とし、2016年のCAGR(年平均成長率)が59%で、市場が20億ドル規模に成長すると見込まれる中、「Hadoopディストリビューションとしては後発だが、高可用性、データソース接続の多様性などを強みに、市場での存在感を高めつつある」と説明する。

平林良昭氏

 日本でも2013年4月に日本法人を設立(9月にローンチ)し、ネットサービス事業者やゲーム業界での採用を皮切りに、他業界へも浸透し始めている。「最初の導入はリクルートでした。まずはネット/ゲーム業界から採用されたMapRですが、段々と通信事業者にも受け入れられるようになり、現在は製造業や金融業などの企業内での活用も始まっています。」(マップアール セールスディレクターの平林良昭氏)。特にOracle Databaseでスケーラビリティに限界を感じている企業のリプレースが進んでいるという。

 日本市場においては、2013年9月の時点で16社だった導入社数も25社に。パートナーはノーチラス、NSSOLの2社からユニシスほか2社を加えた計5社となり、「パートナー増加で(目標導入社数は公表されなかったが)さらに採用が進んでいくでしょう」(平林氏)とのこと。

 今後の戦略としては、業界や利用例のキーとなるリファレンス顧客をハイタッチ営業で攻めるほか、SI・ソリューションパートナーとの協業をさらに促進しながら、マーケット認知度の向上を図っていく意向。

 その一環として発表されたのが、今回のMapR App Galleryで、ビッグデータにより企業運営および意志決定をさらに強化したい企業の開発者や分析者向けのポータルとして、検証済みで即利用可能なビッグデータ関連ユーティリティやアプリを提供する。

 こうしたHadoopアプリのギャラリーは「業界初」(同社)。米国本社から6月3日に発表された新サービスで、今回、日本法人からも説明された格好だが、アプリ登録はパートナー各社の米国本社などが行うため、日本語化はされていない。以下、現時点で登録されたパートナーソリューション。

データベースHadapt、HP Vertica、Rainstor、Splice Machine
アナリティクス・BI・データ統合Alpine Data Labs、Appfluent、Data Tactics、Datameer、DataTorrent、Information Builders、Jaspersoft、Pentaho、Platfora、Revelytics、Revolution Analytics、Syncsort、Tableau、Talend
検索Elasticsearch、LucidWorks
機械学習Oxdata、Skytree、Zementis
管理とセキュリティDataguise、Splunk、StackIQ、Voltage

 MapRのHadoopは業界標準のAPIが用意されており、開発者は以下のオープンインターフェイスの1つもしくは複数を利用してシステムを構築できる。

・HDFS APIとNFSを通じたストレージアクセス
・YARN、Tez、MapReduce、Sparkを通じたジョブ実行
・HBase、HiveQL、PigLatinを含むエコシステムインターフェイス
・Drill、Hive、Stinger/Tezを通じたSQL
・REST APIを含む管理インターフェイス

川島 弘之