ニュース

東京国立博物館、公式ガイドアプリに3つの屋内測位技術

利用者への位置連動ガイドをより高精度に

 株式会社電通国際情報サービス(ISID)とクウジット株式会社は15日、東京国立博物館の公式ガイドアプリ「トーハクなび」に、新たにBluetooth Low Energy(BLE)を用いた測位技術を実装し、従来の2種類のWi-Fi測位と合わせて3つの屋内測位技術による位置連動機能を実現した。この3つを常設型で導入するのは国内初。新機能は同日公開の「トーハクなび」最新版(V.2.0)に実装される。

 トーハクなびは、東京国立博物館総合文化展をめぐる複数の見学コースを紹介する公式ガイドアプリ。2012年4月からの「トーハクなび共同研究プロジェクト」にて、来館者の鑑賞体験をより豊かにするために開発された。

アプリ画面イメージ。左がスタート画面、右が日本美術ジャンル別コース画面

 東京国立博物館では同アプリを用いて、本館2階において、屏風や絵巻など比較的大きな作品が展示されたエリアを展示室ごとに解説するガイドと、展示ケース内に1m程度の間隔で並んでいる作品を種別ごとに解説するガイドを、利用者の位置に連動して出し分ける。

 今回、同アプリにBLEを用いた測位技術(主にiOS向け)を実装。クウジットが施策開発したBLEビーコン発信機と、アプリ内に搭載する屋内測位モジュールで構成される。信号出力を調整することで、1m~5m粒度までの測位が可能で、展示室ごとの入室検知と展示品種別ごとの識別の両方に用いられる。

 併せて、Wi-Fi測位技術「PlaceEngine/Place Sticker」(主にAndroid向け)も活用。クウジットが商用展開する測位エンジン「PlaceEngine」と、ISIDが研究開発中の近接領域の屋内測位技術「Place Sticker」を連携させ、展示室ごとのガイドと展示品種別ごとのガイドをスムーズに出し分けるという。

3つの屋内測位技術 適用イメージ
立体図

川島 弘之