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NECのパブリック事業、2017年度に売上高8500億円を目指す

執行役員常務の西村知典氏

 日本電気株式会社(以下、NEC)は13日、パブリック事業に関する説明会を開催。執行役員常務の西村知典氏は、「2013年度には7450億円(予想)の事業売り上げを、2015年度には7800億円、2017年度には8500億円まで持って行きたい」と述べた。

 NECのパブリック事業とは、中央官庁や教育機関などの「官公」、自治体や交通・水道局などの公益事業を含む「公共」、銀行・保険・証券などの「金融」といった3つの分野から構成されており、それぞれの割合は売り上げベースで6:3:1。NECは、各市場において長年の実績を持っており、さまざまなビジネスを今後も継続していくというが、西村氏によれば、2017年度に8500億円を目指す中で特に注力していくのは、防災インフラ、ビッグデータ、サイバーセキュリティの3領域とのこと。

 この理由として西村氏が挙げたのは、「無線ネットワークとセンサーが当社の大きな得意分野」と見ているからだ。「単にIT分野だけで競争すると競合企業とバッティングしてしまうが、ネットワークを含めたソリューションでの戦いになれば、競争力が高まる」との考えから、NECならではの強みが生きる分野に注力する。

 このうち防災インフラは海外で需要が伸びると予測されており、防災通信システムなどNECの技術に対するニーズは高まっているという。また、ビッグデータ関連では、“いつもと違う挙動”を検知するインバリアント分析技術をシステムの故障予知、都市インフラの延命化などで利用する考えで、「さまざまなインフラが寿命を向かえつつある中で、延命化に際して生きてくる」とした。

災害に強い通信インフラを利用した防災システム
インバリアント分析により社会インフラの故障や異常を検知

 なお、NECでは海外での事業比率を増やすことも狙っており、現在は3%しかない海外売上高比率を、2017年度には15%以上に引き上げる。また営業利益率も改善する計画で、現在の7.2%から2015年度に8%、2017年度には10%まで向上させるとのこと。

2015年度には7800億円、2017年度には8500億円の売上高を目指すという

石井 一志