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日本IBM、OpenDaylightの成果を製品化した「SDN VE OpenFlow Edition」
(2014/2/6 06:00)
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は5日、SDN(Software-Defined Networking)を実現する「IBM Software Defined Network for Virtual Environment」(SDN VE)の新製品として、「IBM SDN VE OpenFlow Edition」および「同KVM Edition」を発表した。また、昨年6月に発表済みの「同VMware Edition」にも機能強化が行われた。
IBM SDN VE OpenFlow Editionは、オープンソースのOpenFlowコントローラ開発プロジェクトとして業界各社が参集して推進されている“Open Daylightプロジェクト”の開発成果をベースに、IBMが商用製品化したもの。Open Daylightプロジェクトでは、最初の成果物となる“Hydrogenリリース”を米国時間の2月4日付けでリリースしており、ほぼ同タイミングでの発表となった。現時点ではOpenFlow 1.0準拠のコントローラとして製品化されているが、年内にもリリースアップが計画されており、OpenFlow 1.3対応などが行われる予定だという。
IBM SDN VE KVM Editionは、オーバーレイ型アーキテクチャに基づくSDNを実現するためのソフトウェア製品で、既に発売済みの同VMware Editionの仮想化ソフトウェアサポートをKVMに変更した形となる。同様に、今後MicrosoftのHyper-Vや、IBM AIXなどで利用されている仮想化プラットフォームなどを順次サポートしていく計画だという。
この分野でのIBMの取り組みは、SDE(Software Defined Environment)というコンセプトに基づくものだ。SDEでは、ワークロードの抽象化、コンピューティングリソースの抽象化を踏まえてワークロードとリソースの動的なマッピングや継続的な最適化を実現していくことを目指す。SDEの枠組みの中では、SDNやサーバー仮想化やストレージ仮想化と並び、リソースの抽象化を実現するための一要素という位置づけとなる。
さらに、IBM SDN VEのキーコンセプトとしては、“Unified”“Open”“Ecosystem”の3つが掲げられている。エコシステム(Ecosystem)はパートナー企業とともに多彩なネットワークソリューションとの連携を図ること、オープン(Open)は「オープンスタンダードの推進・活用」とされ、OpenDaylightプロジェクトへの積極的な参加と成果物の製品化がまさにその表れだ。
残るユニファイド(Unified)は「さまざまなネットワーク仮想化技術の単一管理・制御」と説明され、大きくはOpenFlowによるホップバイホップ型アーキテクチャとオーバーレイ型アーキテクチャの混在や、オーバーレイ型ではさらにマルチハイパーバイザ環境に対応し、並立するさまざまなSDNソリューションを分断することなく単一点から集中的に管理できるようにすることが重視されている。
これを踏まえ、今回のリリースで新たにマネジメントプレーンに対応するソフトウェアとして“Unifiedコントローラ”が発表され、各製品に同梱される形で提供される。UnifiedコントローラはまたRESTful APIやNeutron APIをサポートすることでSDN VE環境に対する統合的なノースバウンドAPI(Unified Northbound API)を提供することで、OpenStackなどの各種オーケストレーションソフトウェアからSDN VEに対する制御を実現するためのインターフェイスとしても機能する。
ライセンスは管理対象となるスイッチ(物理/仮想)単位での課金を基本とするが、既に発売中のVMware Editionに関しては従来のCPUソケットライセンスがそのまま継続される。価格は、OpenFlow Editionが16万6,400円、KVM Editionが9万6,900円(1スイッチ・ライセンス+1年間サブスクリプションを含む標準価格)、VMware Editionが4万8,400円(1CPUソケット・ライセンス+1年間サブスクリプションを含む標準価格)となる。