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“ニート”の進路決定をデータ分析、日本IBMがNPO支援

 日本IBMは28日、社会的自律が困難な状態にある無業の若者に、職業訓練や職業体験などを提供する特定非営利活動法人育て上げネットに対し、社会貢献活動(IBM Services Grants)の一環として、データ分析の支援を開始した。

 2013年6月に内閣府が公表した「子ども・若者白書2013年度版」によると、15歳から34歳の若者で、就職せずに学校にも通っていない、いわゆる「ニート」の人数は63万人に達し、同じ年代の人口に占める比率としては過去最高の2.3%となった。今後、労働人口の減少が予測される日本では、こうしたニート層の進路決定を支援するための仕組みや手法の確立が喫緊の課題となっている。

 育て上げネットは、これまで支援者の経験や専門性を基に支援方法や方針を判断してきたが、過去の事例や熟練支援者のノウハウなどは暗黙知のまま体系化されておらず、支援方針が属人化する傾向があったという。

 そこで、育て上げネットがこれまで蓄積してきた支援データにデータマイニング技術を適用し、支援の効果が認められるパターンやルールを抽出することで、支援方針の策定をより効果的にする取り組みを、両社共同で進めていく。

 IBMは、テクノロジーや社員のスキルをソリューションとして寄付し、社会課題の解決に取り組むNPOの活動を支援するIBM Services Grantsという社会貢献活動を進めている。その一環として、今回は統計解析ソフト「IBM SPSS Modeler」のライセンスと、それを活用するためのコンサルテーションを提供する。

 同ソフトは、統計解析の初心者・プロを問わず利用できるよう設計されたツールで、アンケートデータ、顧客購買データ、医療データなど「人」に関するさまざまな「データ」をより簡単に、より深く分析することができるという。

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川島 弘之