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シスコ、企業向けの新コラボソリューションを発表~日本市場での販促プログラムも

シスコ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は21日、今日の働き方やワークスペースに対応し、ユーザーがどこにいても、よりスマートかつ効率的な業務遂行を可能にする、新しい企業向けコラボレーションソリューションを発表した。あわせて、今後、日本市場での拡販に向けた新プログラムを展開することを明らかにした。

 今回発表した新しいコラボレーションソリューションは、チームが簡単に接続、対話、コラボレートし、人々がより迅速に反応し、意思決定までの時間を短縮することを目指して設計されたもの。シスコ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏は、新ソリューションの発表にあたり、「現在、企業のワークスペースでは、コンシューマライゼーションとモビリティへの要求が高まっている。この要求に応えるためには、先進のコラボレーションソリューションをよりシンプルに提供していくことが重要だ。今回の新ソリューションでは、『操作性を重視して使いやすさを向上』、『クラウドによって複雑性を解消』、『既存投資の活用により付加価値を最大化』という3つのアプローチから、シンプルで使いやすく、直感性に優れたコラボレーションを実現した」と述べている。

 新コラボレーションソリューションの具体的なラインアップとしては、まず、すべてのコラボレーション製品の運用・管理を統合する「Cisco Prime Collaboration」を2月から提供開始する。同製品では、社員向けのシスココラボレーション製品のほぼすべてをプロビジョニング/管理できる統一された管理コンソールをIT部門に提供する。このコンソールにより、サーバーの導入や、社員のデスクフォンからノートPC上のJabberクライアントまでを含めたさまざまなデバイスの設定をすべて行うことが可能となる。さらに、電話やタブレットなどの個人デバイスを簡単にシステムに追加するための権限をユーザーに与えることができるという。

 また、「Cisco Collaboration Edgeアーキテクチャ」の主要コンポーネントとして、Any-to-Anyを実現するコラボレーションゲートウェイ製品「Cisco Expressway」を2月から提供開始する。同製品は、デバイスレベルでの登録、アカウント、パスワードを必要とせずにセキュリティを維持できる高度なゲートウェイで、企業の外のネットワークからのコラボレーションを安全に行うことができる。ユーザーの居場所に関係なくスピーディーにアクセスすることで、より迅速かつ効果的なコラボレーションを実現する。

 さらに、「Cisco Expressway」のセキュリティ機能を使って社外の関係者に「ゲストアクセス」を提供するソリューション「Jabber Guest」を4月から提供開始する。「これにより、パソコンやスマートデバイスを利用している顧客や消費者が、コンタクトセンターなど企業の担当者と高精細な音声とビデオを使って対話することが可能となる。例えば、自分のスマートフォンやタブレットに搭載されているカメラを使って、製品のトラブルなどを問い合わせセンターの担当者に示し、迅速なフィードバックを得ることができる。また、企業の担当者は指で触れたり、マウスをクリックしたりするだけで、外部関係者とデータを共有することもできる」と、マッティー氏は、デモを交えて「Jabber Guest」の特徴を説明した。

「Cisco TelePresence MX300 G2」

 テレプレゼンス端末のデザインを一新し、第2世代の「Cisco TelePresence MX300 G2」を5月から提供開始する。新製品は、梱包された状態から、約15分間で簡単に組み立てることができ、あらゆる部屋やスペースに導入することが可能。新たに、デュアルディスプレイ機能をオプションで搭載することが可能で、ユーザーは簡単に別のスクリーンやモニターを接続し、コンテンツ共有性能を高めることができる。また、マルチポイント制御ユニット(MCU)なしで、最大で4台の端末を同時接続できる多地点会議機能もオプションで提供する。

 このほか、BYOD時代のコラボレーションを容易にする新たなソリューションとして、「Intelligent Proximity」を昨年12月から提供している。「『Intelligent Proximity』は、個人のモバイル端末と固定のオンプレミスコラボレーション環境の間の垣根を低くするための機能セット。例えば、ユーザーが個人用のモバイル端末を、オフィス環境にあるシスココラボレーション端末に近づけるだけで、電話帳や通話履歴のデータを自動的に同期させることができる」(マッティー氏)という。現在、「Intelligent Proximity」に対応する端末は、Android搭載「Cisco DX650スマート デスクフォン」で、今春には「Cisco TelePresence」との連動を予定している。

オールインワンサーバー「Cisco Business Edition 6000」

 今回の新コラボレーションソリューションの発表にあわせて、マッティー氏は、日本市場でのさらなるビジネス拡大を図るため、新たな販促プログラムを展開することも明らかにした。まず、従業員1000人以下の中堅・中小企業向けの特別プログラムとして、「シスコ コラボレーションパッケージ」を提供する。「このパッケージでは、最新のオールインワンサーバー『Cisco Business Edition 6000』をコラボレーション基盤として、ソフトフォンからハードフォン、テレプレゼンス端末、ネットワーク機器までを含めたフルパッケージを特別価格で提供する。また、既設PBXを利用するライトプランとして、Web電話帳、チャット・プレゼンス、Web会議をセットにしたパッケージも用意している。販売は、大塚商会とKDDIを通して行う」としている。

 従業員5000人以上の大規模企業向けには、新たに全社導入のライセンスモデル「Cisco Enterprise Agreement for Collaboration」を3月から提供する予定。このライセンスモデルは、ナレッジワーカー分のライセンス数で、すべての従業員が利用可能になるというもの。ライセンスには、ユニファイドコミュニケーション、ビデオ会議、Web会議、カスタマーコラボレーション、システム管理が含まれている。マッティー氏は、「全社一括契約によって、ユーザーまたはデバイスごとの管理が不要になり、シンプルなライセンス管理を実現する。また、20%までの社員増は追加ライセンスが必要ないため、企業成長にも対応できる。さらに、既存ライセンスからの移行プログラムも提供し、本気で社員力を高めることを目指す企業を支援していく」との考えを示した。

唐沢 正和