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清水建設、「HP OO」でプライベートクラウドの運用自動化を実現

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は8日、清水建設株式会社が、運用手順自動化ツール「HP Operations Orchestration software」(以下、HP OO)を採用したと発表した。導入は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)が担当している。

 基幹業務システムを含め、約200のサーバーをプライベートクラウド上に移行している清水建設では、2014年度には300を超えるサーバーを集約すべく、さらなる作業を進めている。こうしたサーバー集約の結果、ITリソースを柔軟に活用できるなど、ユーザー部門にとっての利便性は高まったが、情報システム部では、システム環境のセットアップ作業などの負荷が高くなってしまったという。

 このような課題を解決するために、清水建設は今回、「HP OO」を運用手順自動化ツールとして採用し、マルチベンダーの機器で構成されたプライベートクラウド環境の運用自動化を実現した。具体的には、定型的な業務から、随時業務、障害対応まで、広範な運用業務のうちおよそ60%が自動化できたとのこと。

 例えば、従来は、高いサービス品質を確保するために人手による二重チェックなどを行ってきたが、これらの業務負荷を大幅に削減するとともに、自動化によるオペレーションミスの解消も実現している。

 導入を担当したCTCは、運用自動化導入支援サービス「OpeNext」により、導入から2カ月で20の運用業務の自動化を達成。イントラネット上でユーザー部門が申請し、システム環境が準備されるまでのリードタイムを、従来の2日から2時間に短縮するなど、自動化の実装を支援した。加えて、新規の自動化フロー作成を含む操作方法トレーニングなど、清水建設の情報システム部への技術移転にも貢献したとしている。

 なお採用にあたっては、自動化フローの設定に豊富なテンプレートが利用でき、スクリプトを記述することなくGUIからシンプルかつ直感的な操作でフロー定義を行える点などが高く評価された。あわせて、さまざまな管理ツールとの連携部品を備えマルチベンダー環境への適応力にも優れていることも、採用理由として挙げられている。

 また今後のプロジェクトとして、清水建設では、「HP OO」を活用し、災害対策サイトを確実に運用するための取り組みも進めているとのことだ。

石井 一志