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富士通、オンプレミスと複数のクラウドを統合管理できる「Systemwalker Centric Manager」新版

 富士通株式会社は25日、ハイブリッドクラウドの管理に対応した統合運用管理ソフトの新版「Systemwalker Centric Manager V15」を、同日よりグローバルに販売すると発表した。

 「Systemwalker Centric Manager」は、システムの運用管理とICT資産管理を統合し、ソフトウェアの導入からシステムの監視、対処まで、データセンターセンター全体のライフサイクル管理を行えるようにした管理ツールである。

 新版では、オンプレミスと複数のパブリッククラウドのハイブリッド環境を管理できる機能を搭載した。具体的には、システム全体で使用されているソフトウェア情報に加え、オンプレミス環境・プライベートクラウド環境では、サーバーやストレージなどのハードウェア情報を自動収集し、使用するICT資産全体を可視化する。

 また、監視テンプレートを活用した不要な監視メッセージの抑止と、類似メッセージの集約を行うスマートソフトウェアテクノロジーを利用。通知される監視メッセージの数を削減するため、大量のメッセージが発生するような状況での運用管理作業時間を短縮できるとのことで、富士通の自社データセンターの事例では、監視メッセージの調査時間を1/7に削減したという。

 提供されるポータル画面では、重要度別・機器別・種別などで集計された監視メッセージを、発生イベントの状況として一目で把握でき、イベントの詳細情報を容易に確認できる点もメリット。このポータル画面は、各企業の運用に合わせたカスタマイズにも対応する。

 さらに、パブリッククラウドのサーバー状況を外部ネットワークからリアルタイムに監視する場合に、メールを利用した通知と組み合わせることで、VPNによる常時接続を不要にしたとのこと。

 加えて、AR統合基盤「FUJITSU Software Interstage AR Processing Server」と連携し、機器の運用状態の確認や、監視メッセージに応じた作業手順をスマートデバイスに表示させることも可能になった。このため、監視センターではなくデータセンターの現場で各種作業を行える点も強みとしている。

 なお、システム内の垂直統合製品と連携した場合、業務アプリケーションやネットワーク機器などを含めて、業務システム全体の稼働状態の統合運用管理を行える。自社の垂直統合製品「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks(仮想化・クラウド基盤)」、「FUJITSU Integrated System HA Database Ready(垂直統合型データベースシステム)」には、監視するための設定があらかじめ組み込まれており、設置直後から連携して統合運用管理を実施できる。

 価格は、「Standard Edition」が50万円(税別)から、管理サーバーの二重化に対応するほか、クラスタや階層システムの監視など、大規模向けの機能を備えた「Enterprise Edition」が100万円(税別)から、メインフレームの監視も行える「Global Enterprise Edition」が700万円(税別)から、「クライアントライセンス」が2万円(税別)から。

石井 一志