ニュース

浜松市の30年後の姿を定める総合計画、ビッグデータ分析で民意反映へ

 富士通株式会社は13日、静岡県浜松市の30年後の姿を定める新しい総合計画(平成27年4月~平成57年3月)の策定に向け、市への期待や市民の思いを発掘することを目的としたビッグデータ分析プロジェクトに参画、作業に着手した。

 浜松市と富士通は2013年9月から2014年3月までビッグデータの収集と分析を行い、分析結果を浜松市の30年後を議論する「浜松市未来デザイン会議」で活用する。

 同プロジェクトでは、「FUJITSU DataPlaza ソーシャルメディア分析ツール」とテキストマイニング技術を利用し、浜松市が保有するデータとインターネット上のデータを合わせて分析。

 浜松市のデータとしては、市民アンケートデータ(平成19年~平成25年度)、市民インタビューのテキストデータ(平成25年度実施)、市民の声データ(平成19年~平成25年度)を活用。

 インターネット上のデータとしては、Web記事やソーシャルメディアの投稿を活用する。「浜松」という言葉を含むブログ記事は、平成24年10月~平成25年9月に公開されたもので約10万件に及ぶという。これらにより、市民の潜在的な期待や問題意識、市内外から見た浜松市の印象などを抽出する。

分析の全体像とプロセス

 昨今、社会・経済のさまざまな課題解決や各種サービスの付加価値向上を目的とした、ビッグデータ活用が注目されている。政府の世界最先端IT国家創造宣言においても「オープンデータ・ビッグデータの活用推進」が重要施策の1つに挙げられており、これらのデータを活用した、住民サービスの向上や地域の新産業創出の検討が活発に行われている。

 浜松市は全国の自治体に先駆け、ビッグデータ分析に着手。分析結果を市政の方向性を見出すための情報として、浜松市の30年後を議論する浜松市未来デザイン会議で活用し、民意に即した新しい総合計画に反映する予定という。

川島 弘之