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日立、M2Mを活用したSaaS型の機器ライフサイクル管理サービス

 株式会社日立製作所(以下、日立)は17日、グローバルに事業を展開する製造業に向けて提供しているSaaS型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」を強化すると発表した。M2M(Machine-to-Machine)を活用して機器のライフサイクル管理を実現する機能を拡充し、「Global e-Service on TWX-21/M2Mサービス」(以下、M2Mサービス)の名称で12月1日より販売開始する。

 「Global e-Service on TWX-21」は、機器の製造・販売、稼働や保守などの情報を収集・蓄積し、その情報を共有・利用して、機器のライフサイクル管理を実現するクラウドサービス。今回はさらに、収集した稼働情報を閲覧する機能や、異常な状態を知らせるアラーム機能、遠隔停止を実現する機能などを拡充し、管理したい機器から情報を収集するために必要な、通信事業者が提供するデータ通信サービスも含めて提供する。

 こうした「M2Mサービス」を活用することで、例えば、自動収集した稼働情報をタイムリーに活用し、最適な保守計画の立案や的確な保守部品の携行による業務効率化を実現するほか、アラーム情報を活用し、故障対応の時間短縮による、アフターサービスの顧客満足度向上などにつなげられるという。また、遠隔での機器への命令・制御を実現する機能では、盗難時に機器の遠隔停止やロックといった盗難防止が可能になるとのこと。

 さらに、「M2Mサービス」で新たに取得可能となる稼働情報や位置情報に加え、すでに「Global e-Service on TWX-21」上で蓄積されている、機器のライフサイクルにかかわるさまざまな情報を組み合わせれば、現場や地域特有の顧客ニーズを反映した新サービス・製品の開発や、正確な部品需要予測に基づく生産計画の策定、コストの最適化なども可能になるとした。

 「Global e-Service on TWX-21」の価格は、すでに提供中の機械管理とドキュメント管理が月額52万5000円から。今回提供する「M2Mサービス」については個別見積もりで、サービスの提供開始は2014年5月1日を予定している。

 なお日立では今後、M2Mを活用したアフターサービス事業の革新に向け、コンサルティングサービスによる企画支援から、グローバル展開に必要な準備・教育の提供、運用に当たってのサポートサービスまで、一連のサービスを提供していく予定だ。

石井 一志