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日本IBM、ビッグデータ活用機能が強化されたメインフレーム向けのデータベース新版

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は8日、メインフレーム「IBM System zシリーズ」向けのソフトウェア製品として、リレーショナル・データベースの新版「IBM DB2 11 for z/OS」、および階層型データベースの新版「IBM Information Management System(IMS) 13 Transaction and Database Servers」を発表した。価格は、zEnterprise最小構成での月額最低使用料金の場合で、それぞれ63万8300円(税別)から、138万9600円(税別)から。出荷は10月25日より開始される。

 今回の新製品はいずれも、メインフレーム向けデータベースソフトの新版。両製品とも、従来に比べデータ処理機能が向上しているほか、メインフレームにおいてビッグデータの活用の幅を広げる機能を拡張した。

 このうちIBM DB2 11 for z/OSでは、オンライントランザクション処理(OLTP)や分析における大量データの照会パフォーマンスが、従来に比べて最大40%向上した。また、汎用的なHadoop基盤との接続インターフェイスを実装し、非構造化データを含めたビジネスデータを取り扱えるため、より多角的な情報を企業経営へ活用可能という。

 さらに、前バージョンのDB2 for z/OSに対応した仕様のまま、アプリケーションを稼働できるモードが新たに追加された。これにより、互換性を確保しつつ、段階的にアプリケーションの改良を含む移行が可能になっている。

 また、Netezzaテクノロジーを活用したIBMのアナリティクス基盤「IBM PureData System for Analytics」を、System zの分析機能の一部として連携させるオプション「IBM DB2 Analytics Accelerator for z/OS」を導入すれば、さらなる大量のデータの分析や、分析時のシステム負荷の分散が可能になる。今回、その最新版である「IBM DB2 Analytics Accelerator for z/OS 4.1」では、実行時に要求文を組み立てる動的SQLだけでなく、あらかじめプログラムに要求文が組み込まれている静的SQLにも対応しており、より幅広いアプリケーションで活用できるとのこと。

 一方のIBM IMS 13 Transaction and Database Serversは、企業の勘定系システムにおいて利用する、高速かつ大容量のデータのトランザクション処理に特化した階層型データベース。1秒あたり最大10万トランザクションを超えるパフォーマンスを達成するとともに、CPU使用量を最大10%削減するなど、より少ないシステムリソースで大量のデータをより高速に処理できるようになった。

 加えて、データへのアクセスにおいて、Eclipseを活用しリレーショナルデータベースと同じSQL言語で対応できる範囲を、JavaだけでなくCOBOLにも拡張した。これにより、汎用的なデータベースの技術者でも容易に管理・運用できるとのこと。このほか、システムを停止せずにデータベースの構成を変更できる機能が追加され、システムの計画停止の頻度を減らせるとしている。

石井 一志