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デル、Latitudeのハイエンドモバイルなど法人向けクライアント製品を拡充

Latitude、Precisionシリーズ新製品9モデル

デル株式会社 エンドユーザーコンピューティング統括本部 統括本部長 ディビッド・デン氏

 デル株式会社は9月12日、法人向けノートブックPC「Latitude」の新製品4モデルと、ワークステーション「Precision」の新製品5モデルを9月13日より提供開始すると発表した。

 デル株式会社 エンドユーザーコンピューティング統括本部 統括本部長 ディビッド・デン氏は、2013年第2四半期にデルはクライアントビジネスで11.5%とシェアを伸ばし、前四半期シェア5位から4位となったと説明。出荷台数の前年同期比では、個人向けがプラス2.7%であるのに対して、法人向けはプラス25.2%と大きく台数を伸ばし、好調を支えた。

 デン氏は、デルの強みとしてエンドツーエンドの製品・サービスのラインアップを上げ、サポート終了期限の迫るWindows XPの移行ソリューションでは、その強みが最大限に生かせると述べた。クライアント製品群を持つだけではなく、OS移行のためのアプリケーション互換性チェック、アプリケーション設定などのサービス、PC買取およびリサイクルなどのサービスも用意、システム管理ソリューションでOS移行を自動化するDell KACEなど、IT管理者の負担を最小限に抑えることが可能だと述べた。

 発表会では、「逆襲の第二章の始まり」という言葉が繰り返し使われた。「ここ2~3年の買収戦略も功を奏して、新しい技術を取り入れた製品のリリースにつながっている。新しいステージにさしかかっている」(デン氏)。第2四半期の好調を受け、XPのサポート終了も好機として、PCメーカーから総合ソリューションプロバイダーとしてより大きなシェア獲得を目指す。

2013年第2四半期は、前年同期比で20.4%の成長
左からLatitude 12 7000シリーズ(タッチパネル選択時のカーボンファイバーディスプレイカバー)、Latitude 14 7000シリーズ、Latitude 14 3000シリーズ
左からPrecision T5610、T3610、T7610

Dell Latitude 12/14 7000シリーズ

Latitude 3440

 Latitude 7000シリーズは、可搬性を重視したハイエンドモバイルに位置づけられるモデル。12.5インチのLatitude 12 7000シリーズはサイズ310×211×20mm(幅×奥行×厚)で重量1.3kg、14インチのLatitude 14 7000シリーズは337×231×21mm(幅×奥行×厚)で重量1.58kg(重量はいずれも3セルバッテリーの最小構成時)で、アルミニウム筐体を採用。いずれも1920×1080ドットのタッチパネル液晶が選択可能で、タッチパネル選択時はディスプレイカバーがカーボンファイバーとなる。

 いずれもCPUは第4世代インテルCore i3/i5/i7から選択、チップセットはモバイル インテルHM87(QM87)。インテルvProテクノロジーに対応する。メモリは4GB(最大8GB)、DDR3L SDRAM 1600MHz 2スロットを装備。バッテリーは3セルまたは4セル。通信機能は1Gbitイーサネット標準対応、無線LANはオプションでIEEE 802.11n(1×1)Bluetoothなし、IEEE 802.11ac(2×2)+Bluetooth、IEEE 802.11n(2×2)+Bluetooth+WiGigから選択できる。

 ポートはイーサネット(RJ45)、USB 3.0×3、ステレオヘッドフォン/マイク・コンボジャック、ドッキングコネクタ、MiniDisplayPort、HDMI×3(フル×1、ハーフ×2)、ミニカードスロットなどを装備。指紋認証はオプションで追加できる。

 ストレージは12.5インチディスプレイ搭載モデルはSSDのみで最大256GB、14インチディスプレイモデルはSSD(最大256GB)のほか5400回転のHDD(最大500GB)も選択可能。

 Dell Data Protectionによる認証や暗号化機能のほか、デルリモートハードドライブワイプ、Dell KACEアプライアンスでの統合管理とクライアント仮想化ソリューションをサポートする。

 参考構成価格は12.5インチディスプレイ(1366×768ドット)、Core i5 4300(vPro)、メモリ4GB、128GB HDD、3年間プロサポートで13万9980円から。

Dell Latitude 14/15 3000シリーズ

Latitude 7240

 Latitude 14/15 3000シリーズはコストパフォーマンス重視のエントリーに位置づけられるシリーズだが、堅牢なシャーシを採用し、上位シリーズ同様にDell Data Protectionによる認証や暗号化機能、Dell KACEアプライアンスを利用した管理に対応する。OSはWindows 7/8のほかLinux Ubuntuをサポート。UbuntuはDellコンフィグレーションサービスによる展開が可能で、帯域内Wake-on-LANによる管理にも対応する。

 14インチの14 3000シリーズと15.6インチの15 3000シリーズをラインアップし、オプションでタッチパネルも選択できる。いずれもCPUは第4世代インテルCore i3/i5から選択、チップセットはモバイル インテルHM87。バッテリーは4セルまたは6セルから選択でき、バッテリーはユーザーが交換可能。ストレージは5400回転のHDDで320GB~1TB。

 参考構成価格はLatitude 14 3000シリーズで、Core i3 4010U、14.0インチディスプレイ(1366×768ドット)、メモリ4GB、500GB HDD、3年間プロサポートで9万4980円。

Dell Precision Workstation

Precision T

 ワークステーションのPrecisionシリーズはタワー型デスクトップ3機種、ノートブック型2機種が発表された。

 タワー型デスクトップは「T3610」「T5610」「T7610」の3機種をラインアップ。ハンドル付きで設置や移動がしやすく、電源ユニットが引き出すだけで取り外せるなど保守性に優れた従来筐体を踏襲しつつ、最新のインテルXeonプロセッサE5-1600 v2やグラフィックスを採用して性能を向上させた。OSはWindows 7/8、Red Hat Enterprise Linuxに対応する。

 「T3610」は、インテルXeonプロセッサE5-1600 v2を1基搭載、DIMMスロット8基を装備し、最大128GBまで増設可能。最大2枚のPCI Express x16 Gen3/Gen2グラフィックスカードに対応、AMD FireProまたはNVIDIA Quadroのラインアップから選択できる。ストレージはSATA、SASまたはSSDドライブから選択でき、3.5インチは3台、2.5インチは4台まで拡張可能。「T3610」のみ、OSはWindows 7/8の32bit版にも対応する。

 「T5610」は、インテルXeonプロセッサE5-2600 v2を1基または2基搭載、DIMMスロット8基を搭載し最大128GBまで増設可能。最大2枚のPCI Express x16 Gen3/Gen2グラフィックスカードに対応、AMD FireProまたはNVIDIA Quadroのラインアップから選択できる。ストレージはSATA、SASまたはSSDドライブから選択でき、3.5インチは3台、2.5インチは4台まで拡張可能。

 「T7610」は、インテルXeonプロセッサE5-2600 v2を1基または2基搭載、DIMMスロット16基を搭載し最大256GBまで増設可能。最大3枚のPCI Express x16 Gen3/Gen2グラフィックスカードに対応、AMD FireProまたはNVIDIA Quadroのラインアップから選択できる。ストレージはSATA、SASまたはSSDドライブから選択でき、3.5インチは4台、2.5インチは8台まで拡張可能。「T7610」のみ、前面からHDDアクセス可能な筐体デザインを採用する。

 参考構成価格は、「T3610」でXeon E5-1607×1基、メモリ4GB、1TB SATA HDD、NVIDIA QUADRO NVS310、DVD-RWドライブで19万9980円から。

Precision M

 ノートブック型のモバイルワークステーションは、「Precision M4800」、「Precision M6800」の2製品が発表された。

 両製品ともCPUは第4世代インテル Core i5/i7、Core i7 エクストリーム・エディションから選択可能。チップセットはモバイル インテル QM87。メモリはDIMMスロット4基を装備し、1.600MHzで最大32GB、1.866MHzで最大16GBまで増設できる。シャーシはアルミニウムおよびマグネシウム合金を採用した。

 「M4800」は15.6インチディスプレイを搭載、解像度は1366×768、1920×1080、3200×1800ドットから選択、グラフィックスはAMD FirePro M5100 Mobility Pro、NVIDIA Quadro K1100M/K2100Mから選択可能。ストレージは2.5インチドライブ×2、ソリッドステートミニカード×1。ストレージは3台以上の構成時にRAID 5に対応。バッテリーは6セルまたは9セル。サイズは376×256×36.25~39.9mm(幅×奥行×厚)、最小重量は2.88kg。

 「M6800」は17.3インチディスプレイを搭載、解像度は1600×900、1920×1080ドットから選択、グラフィックスはAMD FirePro M6100 Mobility Pro、NVIDIA Quadro K3100M/K4100M/K5100Mから選択可能。ストレージは2.5インチドライブ×3、ソリッドステートミニカード×1。ストレージは2台以上の構成時にRAID 0/1、3台以上の構成時にRAID 5に対応。バッテリーは9セル。サイズは416.7×270.6×36.45~40.4mm(幅×奥行×厚)、最小重量は3.57kg。

工藤 ひろえ