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日本IBM、POWER7+搭載のPaaS向け統合システムにエントリーモデルを追加

IBM PureApplication System W1700の従来モデル(左)とエントリーモデル(右)

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は27日、POWER7+プロセッサを搭載したPaaS基盤向け統合型システム「IBM PureApplication System W1700」(以下、W1700)のエントリーモデルを提供すると発表した。9月13日より提供開始する。

 日本IBMでは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアとOS、ミドルウェアをあらかじめ統合することで、部品調達や構築、導入といった作業の時間を大きく削減する垂直統合型システムを提供しているが、その中でもPaaS環境構築のためのプラットフォームとして「IBM PureApplication Systemシリーズ」を展開している。

 このシリーズのうち、POWER7+を搭載するモデルが「W1700」で、今回はそのエントリーモデルとして、32コアと64コアのプロセッサを搭載する2モデルがラインアップされた。これらの新モデルでは、POWER7+アーキテクチャの特長である仮想サーバーの高い集約率と処理能力や、ハードウェア上でサーバー仮想化を実現する「PowerVM」などは受け継ぎつつ、ラックサイズをおよそ2/3に、消費電力をおよそ1/3に抑えるなど、導入や運用の負担の軽減を実現したという。

 また今回は同時に、IBM PureApplication Systemシリーズの機能強化も行われている。具体的には、最大8000km離れた物理的に異なるシステムや拠点間での災害対策構成を、5つのステップの設定のみで作成できる機能が追加された。万一の災害時にも、わずか2ステップでのリカバリに対応する。

 また、システムの負荷が高まった際にリソースを自動拡張するスケーリング機能において、必要に応じ仮想マシン数を自動的に追加する「水平スケーリング」に加え、CPUやメモリを既存のVMへ自動的に追加する「垂直スケーリング」機能をサポートした。両スケーリング機能を組み合わせたポリシーも設定できる。

 さらに、ファイルシステムで指定したディレクトリ以下を自動で暗号化する機能を追加。IBM PureApplication System上で稼働するOSおよびIBMミドルウェアのライセンス、修正プログラムに対する管理機能も強化されている。

 なお、x86アーキテクチャを採用した「IBM PureApplication System W1500」では、Linuxに加えて今回よりWindows Server 2008 R2をサポートした。

石井 一志