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ミドルウェアも“12c”ブランドで――日本オラクル、クラウド基盤製品群を一新
(2013/8/1 06:00)
日本オラクルは7月31日、「Oracle WebLogic Server」「Oracle Coherence」など同社のクラウド基盤製品群の最新版の提供を開始、あわせてこれらの製品を「Oracle Cloud Application Foundation 12c」というブランドで新たに展開していくと発表した。
日本オラクル 執行役員 FusionMiddleware事業統括本部長 桐生卓氏は「クラウドに最適化されたOracle Database 12cの提供開始に合わせ、クラウドの基盤を支えるミドルウェア製品群も一新を図った。オンプレミスや他社SaaSとの連携からIaaS基盤構築までをカバーし、さらに新旧のアプリケーション基盤の統合も実現する。この新たな製品群でもってFusion Middleware事業をさらに拡大し、他社製品からの大型リプレース事例なども増やしていきたい」と語る。
今回、Oracle Cloud Application Foundation 12cの下で新たに提供が開始されたのは、アプリケーションサーバー「Oracle WebLogic Server 12c Release 12.1.2」と、インメモリデータグリッド製品「Oracle Coherence 12c Release 12.1.2」で通称はいずれも“12c”となる。これらに加え、昨年11月にリリースされた分散トランザクション処理基盤「Oracle Tuxedo 12c」などがOracle Cloud Application Foundation 12cに含まれる。
いずれも7月17日に提供が開始されたOracle Database 12cとの高い親和性が特徴で、データベースとミドルウェアが密接に連携することで、強固なクラウド基盤とシンプルな管理機構を提供し、さらにその上で動くアプリケーションの開発生産性を向上させることを目的とする。また、Oracle Cloud Application Foundation 12cで構築されたクラウド基盤向けの管理機能は「Oracle Enterprise Manager 12c」により提供される
新製品の主な特徴は以下のとおり。
・Oracle WebLogic Server 12c Release 12.1.2
プラガブルデータベースへのアクセス最適化、パフォーマンス最大化を図る「Application Continuity」、動的負荷分散や可用性を向上する「Active GridLink for LAC」など、Oracle Database 12cの新機能を積極的にサポート。加えてアプリケーションの基盤集約度を高めるためにリソースのプール機構「Database Resident Connection Pooling」をサポート、不必要なアプリケーションサーバの起動を抑える。HTML5対応としては、WebSocketのサポートとデータベース連携モジュール「Oralce TopLink」の刷新を図り、データベース→WebLogic→ブラウザのEnd-to-Endで負荷の小さいプッシュ通信を実現している。また、サーバ名や利用ポート範囲、最大インスタンス数などを含む構成テンプレート機能を提供し、拡張時における手動設定を不要にする「Dynamic Clusters」機能を提供する。
・Oracle Coherence 12c Release 12.1.2
Coherenceに対応していないアプリケーションがデータベースの変更を行った場合でも、GoldenGateとの連携によるHotCache機能で変更を検知することが可能になり、Coherence経由でのデータベース更新とも共存、アプリケーションに対し情報をリアルタイムでプッシュすることが容易に。またイベント処理機能「Oracle Coherence Live Events」を強化し、イベントの割り込み処理を可能にすることで、アクセスの一時的な集中を負荷分散したり不正検知のリアルタイム処理をしやすくする。管理面では、これまでの独自ツールをやめてWebLogicと同じ管理フレームワークを採用し、ユーザインタフェースなどを統一、管理作業やデプロイの効率化を図っている。さらに複数のサイトをまたぐマルチサイトメモリグリッド構成を取ることができるため、災害時などにおいてもアプリケーションのダウンタイムを防ぐことができる。
桐生氏はOracle Cloud Application Foundation 12cを含むFusionMiddleware事業の2014年度における事業目標として「アプリ基盤とビジネスの促進と強化」「新規市場の創造と先進ソリューション提供」「Exalogicのビジネス推進」の3点を挙げている。特にオンプレミスやパブリッククラウドとプライベートクラウドを統合するハイブリッドクラウドへのニーズが高まっており、今回のOracle Cloud Application Foundation 12cにより、部門レベルから大規模展開までをカバーする体制が整ったとしている。
「実際に他社製品からの(WebLogicやCoherenceなどへの)リプレース案件が非常に増えている。理由はJavaアプリケーションの生産性とOracle Databaseとの親和性の高さなど。データベースがオラクルならその上もオラクルで、というお客さまが増えている」(桐生氏)。
また、Oracle Cloud Application Foundation 12cは同社の垂直統合型アプリケーション実行基盤である「Oracle Exalogic」に最適化されており、今回の刷新に伴ってExalogic本体および関連ライセンスの価格改定も実施されている。
価格はプロセッサライセンスとNamed User Plusライセンス(オラクル製品を利用できる権利をもつ個人の数に応じて価格を設定するライセンス)から選択可能で、Oracle WebLogic Server 12cが108万7000円/1プロセッサから、もしくは2万1700円/Named User Plusから、Oracle Coherence 12cが50万円/1プロセッサから、もしくは1万900円/Named User Plusからとなっている。