ニュース

味の素、メールのDRシステムを構築~グローバルで1万4000人が対象

富士通のパブリッククラウドを活用

 富士通株式会社は16日、味の素株式会社が関東における災害発生時に必要最低限の業務を継続できるよう、メールのディザスタリカバリ(DR)システムを構築し、運用を開始したと発表した。味の素の海外グループ会社も含めた1万4000名を対象としている。

 同システムは富士通のパブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5(以下、Trusted Public S5)」と、通常利用しているExchange Serverのメール機能を組み合わせることで、災害時でも安定的に使用できる既存のメールアドレスを使ったコミュニケーションを実現する。

 同システムでは、マイクロソフトのライセンスプログラム「Services Provider License Agreement(SPLA)」を活用することで、既存のメールアドレスのまま、通常のメールサーバーから同期している全社共有のアドレス帳情報を、災害時のみの課金で使用でき、システムを使用していない時の利用料金を抑えて運用できるようになっている。

 なお、味の素が従来活用している東日本データセンターから地理的に離れた富士通の西日本データセンターを活用し、東西で冗長化。運用オペレーションも富士通の関西LCMセンターにて請け負うことで、災害時の確実なメールシステムへの切り替えを可能とし、味の素の運用負荷を軽減している。

 味の素グループでは東日本大震災発生後、従来の事業継続計画(BCP)を全社的に見直し、より広義となる企業継続計画(ECP)を進めている。対策の優先順位を「人命」「社会」「業務」とした基本方針を掲げ、(1)従業員・家族安全、(2)支援・復旧、(3)事業再開の3ステージに分け、策定・実行に取り組んできた。加えて、被災時でもメールを早急に復旧させることで業務を継続できるよう、メールのDR環境を構築した。

川島 弘之