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アクサスがNetApp FAS2220Aで業務システムを仮想統合、Data Domain DD160による遠隔レプリケーションも

 株式会社ネットワールドは10日、四国・関西地方で化粧品や生活雑貨の専門店を運営するアクセス株式会社が、ネットワールドの提供するEMC製重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain DD160」と、ネットアップのネットワークストレージ「NetApp FAS2220A」を導入したと発表した。業務サーバーの仮想統合プロジェクトに採用されたもので、すでに本番稼働を開始している。

 アクサスでは、インフラの最適化やコスト削減の一環として、社内で稼働する物理サーバーを仮想統合するためにVMwareの導入に着手したが、それに伴ってネットワークストレージの導入が必要となった。また同時に、Windowsベースで構築されていたファイルサーバーの統合も決定したほか、東日本大震災をきっかけに、重要な業務データを保護するための遠隔バックアップ体制も確立することにしたという。

 こうした中で仮想化基盤用のストレージを検討したが、アクサスのシステムは24時時間稼働に近いため、耐障害性の高さがもっとも重視され、RAID-DPやSnapshotといった機能が評価されてNetApp FAS2220Aが採用された。一方の遠隔バックアップでは、多額の費用や運用負担を掛けることなくデータ保全を実現するという観点で、EMCの「EMC Data Domain DD160」を採用したとのこと。なおシステムの提案と構築は、ネットワールドのパートナーであるリコージャパンとリコーITソリューションズが担当している。

 現在アクサスでは、ウイルス対策サーバーや資産管理サーバー、ドメインコントローラなどのシステム群を仮想化してNetApp FAS2220AのNFS領域に集約。別途確保したCIFS領域をファイルサーバーとして活用している。

 また、仮想マシンイメージはイメージバックアップを、業務データやファイルデータはデータバックアップを利用して、EMC Data Domain DD160にバックアップデータを保存。重複排除機能によって約1/16に削減された保存データを、リモートレプリケーションツール「EMC Data Domain Replicator」を用いて、遠隔地のデータセンターに設置されたもう1台のData Domainへコピーしているため、万一本社ビルが被災した場合なども、重要な業務データを保全できるようになった。

 なお同社は、今回のプロジェクトに含まれていないメールサーバー、あるいは各事業部門で稼働しているファイルサーバーなども、今後、費用対効果や利便性などを見極めた上で、集約・統合化していく方針である。

石井 一志