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富士ゼロックス、複合機の顧客対応を行うエンジニアに約3000台のタブレット端末を配布

 富士ゼロックス株式会社は26日、オフィス向け複合機の保守業務を行う国内のカスタマーエンジニア全員に対し、約3000台のAndroidタブレットを配布すると発表した。メーカー・機種名は非公表だが、複数の製品を組み合わせて利用するという。またあわせて同社では、顧客対応を支援するシステム「COMPASS」を構築し、4月より本格運用を開始することも明らかにした。

 今回構築された「COMPASS」では、カスタマーエンジニアの訪問スケジュールにあわせて保守履歴、稼働報告といった必要な情報を社内データベースから自動収集し、暗号化した上でタブレット端末にプッシュ配信する仕組みが導入されている。

 これによりカスタマーエンジニアは、外出先で業務に必要な情報をリアルタイムかつ簡単に入手し、活用できるようになるとのこと。また、タブレット端末を使った顧客への提案も可能なほか、端末に蓄積された情報はその日のうちに自動削除されるなど、安全面にも配慮されている。

 さらに、顧客とのコミュニケーションを通じて得られた要望や約束事などをタブレット端末で登録し、リアルタイムに社内共有できるようになったため、担当営業・SEへの申し送り事項が確実に伝達される点もメリット。また、従来は複写式の紙に手書きで記入していた保守サービスレポートを原則廃止し、タブレット端末で入力したレポートを顧客に提出できるようにした。

 あわせてこの仕組みでは、入力したレポートは同時に社内システムにも登録されるので、帰社後に訪問件数分システムに再入力していた付帯業務を大きく削減できる効果もあるとのこと。富士ゼロックスでは、こうしたシステムによってカスタマーエンジニアの業務生産性向上を図ることにより、従来は付帯業務で費やしていた年間1人当たり約100時間を削減できると想定しており、この時間を顧客との関係性強化に振り向けたい考えだ。

(石井 一志)