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ネットワン、ネットワーク・ファブリック技術で仮想基盤を全社共通に

 ネットワンシステムズ株式会社(ネットワン)は4日、自社の仮想環境を最新ネットワーク・ファブリック技術を活用した全社共通の仮想基盤へリニューアルしたと発表した。

 同社は2009年から2011年にかけて、全国各拠点に点在していた物理サーバーを仮想化によってデータセンターに統合・集約し、TCO削減を実現していた。しかし業務システム単位で独立したサイロ型仮想環境が並んでおり、主に以下の3つの課題が生じてしまっていたという。

リニューアル前の構成

(1)業務システムにICTリソースを柔軟に割り当てできない――サイロを隔てた別の仮想環境へ仮想サーバーを移動できないことから、CPU・メモリ・ディスクなどのICTリソースに余裕があるシステムと枯渇しているシステムが発生。

(2)特定の業務システムにおけるネットワーク帯域が不足――社員のアクセスが集中する仮想デスクトップシステムの増設や、ファイルサーバーのデータ量増加に伴い、これらのシステムにおいてネットワーク帯域が不足。

(3)運用体制が複雑化――仮想環境ごとの個別最適で運用担当組織とその対象領域が定められており、全体的な視点では非効率に。またバックアップポリシーもアプリケーションごとの運用方針やストレージの機能に依存しており、システムごとに異なる状態。

課題(1)業務システムにICTリソースを柔軟に割り当てできない
課題(2)特定の業務システムにおけるネットワーク帯域が不足
課題(3)運用体制が複雑化

 そこで今回のリニューアルで全社共通の仮想基盤を構築。ICTリソースを柔軟に業務システムに割り当てられるようにした。ネットワークも10GbEに統一し、かつファブリック型にすることで均一で効率的な帯域の割り当てを実現した。

 具体的には、データセンターネットワークとして「Cisco Nexus 7000シリーズ/Nexus 5000シリーズ/Nexus 2000シリーズ」による「Cisco FabricPath」、および「Brocade VDX 6700シリーズ」による「Brocade VCS Fabric」の2つのネットワーク・ファブリックを構成。仮想化ソフトは「VMware vShpere 5」を採用し、サーバーは仮想環境に最適な「Cisco UCS」、ストレージは「EMC VNX 5700」を使用。バックアップには重複除外機能を持つ「EMC DataDomain 640」および「EMC Avamar」を採用した。

リニューアル後の構成
設計方針/主な機器選定理由/導入効果

 今後、現在バックアップ用途として使用している大阪地区データセンターも拡張し、仮想環境を導入することで、東京・大阪間でデータセンターのActive/Standby構成を実現する予定。

 また、運用体制も改善しさらなる効率化を図るとともに、基盤の柔軟性向上によりICTツールの試験導入が容易となることで、最新ICTの利活用による生産性改善の取り組みを加速し、そのノウハウを顧客へ還元するとしている。

(川島 弘之)