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A10ネットワークス、自社機器向けOSの新版「ACOS 3.0」を年内にリリース~SDN対応などを強化
(2013/1/25 18:01)
A10ネットワークス株式会社は、2013年内にも、同社製品向けのOSである「Advanced Core Operating System(ACOS)」の新版「ACOS 3.0」を提供予定であることを明らかにした。米A10 Networks 創業者兼CEOのリー・チェン氏が、23日に行われた記者説明会で表明したもの。
ロードバランサー「AXシリーズ」などを手掛けるA10 Networksは、これまでも順調な成長を続けていたが、2012年は前年比31%の成長を遂げたほか、2012年第4四半期には記録的な売り上げを達成したという。
その秘密は、製品が採用しているACOSにあるとチェンCEOは説明する。ACOSではSymmetric Multi-Core/共有メモリアーキテクチャを採用しているが、これによってCPU間の均等な負荷分散、ロッキング回避などを実現しており、並列マルチプロセッシング処理には適した構造になっている。これが、x86アーキテクチャのマルチコア化と相まって、高い処理能力を提供できるようになったのだという。
またACOSでは、当初からコントロール、データ、管理の各プレーンが分離されているため、信頼性の向上やデータ処理能力の最大化が図れているとのこと。さらに、このように各プレーンが分離されていることは、昨今話題のSDN(Software Defined Network)のコンセプトとも合致することから、SDNを踏まえた今後の展開もやりやすくなる。
このような特質を持つACOSだが、現在のバージョン2.xから、2013年内には次期バージョンである3.0への移行が予定されている。チェンCEOによれば、40GbE/100GbEの新プラットフォームが提供されるほか、新たなACOSアプリケーションのサポート、SDN関連機能の追加などを予定しているそうで、今後の展開が期待されるところだ。
なおSDNについては、前述のようなACOSの強みを生かしてソリューション提供を図る意向で、「COSはソフトウェアベースであり、純粋なOpenFlowネットワークに統合できるし、柔軟なプログラマビリティを持つため、AX APIやさまざまなネットワークソリューションとの統合が可能だ。クラウドで展開する課題は環境の拡大・縮小に対する俊敏性をどう持たせるかだが、ACOSはソフトで構成されているのでデマンドに追随可能である。当社でも、クラウド管理製品と協調動作する専用の管理プラットフォームを提供していく」などと述べた。
一方、日本法人の代表取締役社長兼CEOで、バイスプレジデント南APACでもある小枝逸人氏によれば、「日本法人は過去3年で10倍の拡大を見せているほか、アジアでは過去2年では4倍の拡大と、2つのリージョンで急成長している」とのこと。
特に、市場が拡大する一途のモバイルについては、「他社がPCのトラフィックベースの伸びとともに成長した会社であるのに対し、当社はスマートデバイスとともに伸びている会社。他社は市場の成長率と同等にしか伸びておらず、その違いが現れている」と述べ、その市場への取り組みの差が成長率に跳ね返っているとアピールしていた。
また、「ハコを売って機能がありますよ、というビジネスではなく、会社が提供できるソリューションが大事」という点を強調。顧客の課題を解決するための、ソリューション化にもより一層力を入れていく意向を示した。