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日商エレと日本HP、3PARストレージ拡販に関するパートナーアライアンスを設立
メンバーが利用できる検証設備「Cloud Ready Center」も開設
(2012/12/19 14:58)
日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)と日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は19日、プライマリストレージ「HP 3PAR StoreServ Storageシリーズ」(以下、3PAR StoreServ)の展開を図るため「3PARパートナーアライアンス」を設立すると発表した。また、アライアンス企業が利用可能な検証設備「Cloud Ready Center」を、2013年1月7日に東京・豊洲の日商エレ施設内に開設する。
「3PARパートナーアライアンス」は、パートナー企業のプライベートクラウド構築ビジネスの推進を目的として、日商エレが日本HPの強力の下で提供するパートナー支援プログラム。従来の3PAR StoreServ(旧ブランド:HP 3PAR)は、大半がキャリアやサービスプロバイダなどの大規模なパブリッククラウドにおけるストレージ基盤として利用されていた。
しかし「先ごろ発表されたHP 3PAR StoreServ 7000シリーズの投入により、一般企業におけるプライベートクラウド構築のニーズにも対応可能になった」(日商エレ 執行役員の高塚俊樹氏)ことを受け、パートナー企業からの問い合わせが増加。こうしたパートナーを日本HPとともに支援するために、今回のプログラムを立ち上げたという。
なぜ日商エレが、日本HPとともに3PAR StoreServのビジネスを支援するのかといえば、それは、3PARが米HPに買収されるはるか前から、国内最初の代理店としてビジネスに携わってきたからだ。
日商エレ 代表取締役社長の瓦谷晋一氏は、「2年前にHPに買収されるずっと前、2002年から取り扱いを始め、今では当社のストレージの柱になっているのが3PARのストレージだ。一方、日本HPとは1990年から20年以上にわたる強固な関係を築いており、フルラインアップを取り扱っている」と述べ、3PAR、日本HP双方との強い関係にあるからこそ、こうした取り組みを行えるのだと強調した。
具体的な取り組みとしては、シトリックス、ヴイエムウェア、日本マイクロソフト、ブロケードの各社の協賛のもとで、検証施設であるCloud Ready Centerを設置。アライアンス企業に解放して、マルチベンダー環境での各種検証環境の構築やデモンストレーションを行えるようにする。
この施設では、3PAR StoreServのみならず、バックアップシステム「HP StoreOnce」、クラウドソリューション「HP CloudSystem Matrix」といった日本HPの製品や、日商エレの取り扱うSDN対応スイッチ、クラウド/VDI環境を構築するためのリファレンスモデル「Nissho-Blocks」など、さまざまな先進の製品・ソリューションを充実させていく予定。
日商エレの瓦谷社長は、「ビッグデータ時代を迎えてストレージ製品の重要性が増す中で、購入前の検証が不可欠になっている」と述べ、この施設の重要性をアピール。また、「当社が持つ10年にわたるノウハウを、ほかの日本HPのパートナーからも使いたいというお申し出を多くいただくようになった」と述べ、今回のアライアンスの中で、蓄積した技術情報や構成支援などの提供も行っていくとの方向性を示している。
一方で日本HP 常務執行役員 エンタープライズストレージインフラストラクチャー事業統括の杉原博茂氏は、「ミドルウェアやアプリケーション、I/Oの特性を生かしたシステムを構築するためには、今回のセンターは非常に重要。また、お客さまにしっかり導入していただくためのソリューション作りも欠かせない」として、3PAR StoreServを中心としたさまざまなソリューションを、日商エレならびにアライアンス企業各社と作り上げることの重要性を強調している。
なおアライアンス企業は、ネットチャート、オリックス・レンテック、システナ、TISの各社を含めた5社でスタートし、2013年3月末までには30社へ拡大したい意向。アライアンス全体でのビジネスは、初年度に30億円の売り上げを見込んでいる。