ネオジャパン、使いやすさの改善やソーシャル機能に着目したグループウェア「desknet's NEO」

中・大規模向けライセンスを12月5日に先行発売


 株式会社ネオジャパンは28日、新グループウェア「desknet's NEO」を12月5日より順次提供開始すると発表した。これまで主力商品として展開してきたグループウェア「desknet'sシリーズ」の後継で、従来は規模別に分かれていたラインアップを統合。まずは中堅・大規模企業向けのライセンスから提供を開始する。

 

この10年での環境の変化を考慮、さまざまな工夫を盛り込んだ

ネオジャパンの齋藤晶議社長

 desknet'sシリーズは2002年の発売以来10年が経過し、これまでに累計276万以上のユーザーに利用されているというが、「その10年でソーシャル化やPC以外のデバイスの普及など、ITの状況が大きく変化してきた。その中で、どうあるべきかを考えてdesknet's NEOを作り上げた」と、齋藤晶議社長は新製品投入の理由を説明する。

 製品開発にあたっては、従来のdesknet'sで培ってきた使いやすさや多機能といった特徴はそのままに、HTML5を全面的に採用しているのが最大の変更点。それによって、通常のPCやタブレット端末で同じUI(ユーザーインターフェイス)での利用を実現したほか、「Webブラウザを用いたアプリでありながら、ネイティブのクライアントアプリとそう変わらない操作性を実現した」(齋藤社長)とのこと。

 さらに、「これだけスマートデバイスが普及すると、個人のデバイスを業務で使うBYODはよくあること。そうした中で、ネイティブアプリで作ってしまうと端末にデータが残ってしまうなど、さまざまな問題が出るため、個人のデバイスでどれだけセキュリティを担保できるかという点を考え、HTML5によるWebアプリを選択した」と述べ、BYODを意識したことも、HTML5とWebアプリケーションという形態を採用した理由の1つとして挙げた。なおスマートフォンについては、共通UIではなく、小さな画面でもストレスなく利用できるように専用UIを用意している。


マルチデバイスで快適な操作を行えるように、HTML5を全面採用したBYODの活用を見据えたことも、ネイティブアプリではなくHTML5によるWebアプリを選択した理由の1つ
PCのFirefox(左)でも、iPadのSafari(右)でも、ほとんど同じUIで作業できる

 また齋藤社長は、従来のdesknet'sとの大きな違いとしてソーシャル機能「ネオツイ」を紹介した。これは、Twitterライクなコミュニケーションを実現できる機能で、企業での利用を踏まえてセキュリティ面にも配慮されている。TwitterやFacebookなどのソーシャルアプリケーションが広く普及する中で、企業でもこれらのサービスを利用することが増えているものの、セキュリティ面などを考慮して採用に踏み切れない企業は多い。しかし、ソーシャルアプリケーションをうまく使えば非常に有用なツールになることから、企業側がコミュニケーションの仕組みを用意することで、デメリットを抑えつつ円滑なコミュニケーションを図れるように配慮したというわけだ。


目玉機能の1つというソーシャル機能「ネオツイ」

 一方で、マーケティング統括部 プロダクトマーケティング担当の山田志貴氏は、「やさしい、わかりやすい。」というキーワードでdesknet's NEOを説明する。desknet'sは以前から見やすさや使いやすさが評価されていたというが、「お客さまのITへの習熟度も向上している中で、それらを実現している要素が10年前と変わらないことに悩んでいた」のだという。しかし、HTML5の採用によってさまざまな改善が行われ、こうした点をクリアした。

 例えば、無駄な画面遷移を極力排除し、Webブラウザの同じ画面の中で作業を完結できるように工夫されているほか、スケジュール機能でも、色分けなどのビジュアル表現によって視認性を大幅に向上させたり、各個人のスケジュールと会議室の空き具合をマッチングして提示したり、といった点が改善されている。


電話メモや付せん機能についても、よりビジュアルになった視認性が増したスケジュール機能

 またWebメールについても、ネオジャパンがWebメーラーの「Denbun」で培ってきたノウハウを反映して、HTML5ベースでUIを刷新。クライアントメーラーと同等レベルの使い勝手を実現しただけでなく、グループウェアとは別画面で作業を行えるようにした。こうした点には、山田氏が「従来のWebメール機能では、スケジュールを確認して返信するといった場合、スケジュールを見てまたメールに戻って、というように行ったり来たりしないといけなかったが、desknet's NEOではスケジュールを見ながら作業ができる」と述べるように、小さいようでも大きな効果を生む工夫が随所に反映されており、さまざまな利点をユーザーに提供できるのだという。

 

ラインアップを統合して同一機能を提供、既存ユーザーは原則無償で移行可能

 今回、機能面以外の特徴としては、小規模向けの「desknet's」(スタンダード版などと呼ばれる)、中規模向けの「desknet's Middle Edition」、大規模向けの「desknet's Enterprise Edition」と3つに分かれていた製品ラインを統合し、エディションごとの機能差を廃して、同一の機能を提供するようにしたことが挙げられる。

 基本的には、RDBMSを利用するEnterprise/Middle Editionのアーキテクチャを踏襲し、データ量が増えても安定した動作が行えるようになるほか、バックアップも容易になる点がメリット。RDBMSとしては、SQL ServerやOracle Databaseといった商用データベース以外に、PostgreSQLのようなオープンソースデータベースもサポートし、特に小規模向けにおいて、コスト面で負担がかからないようにした。


従来のEnterprise Editionのアーキテクチャを採用している

 ライセンス形態は、100~数万ライセンス規模を対象にしたエンタープライズライセンスと、5~300ユーザーまでの小規模環境を対象にしたスモールライセンスを用意し、まずエンタープライズライセンスを12月5日より提供。スモールライセンスと、クラウドサービスは2013年2月の提供開始を予定する。

 コストについても、1000ユーザー以下の環境で費用を見直し、より導入しやすくした。さらに、エンタープライズライセンスでも10ユーザー単位での追加購入に対応するなど、従来よりも柔軟な導入をサポートしたという。

 具体的な価格例は、エンタープライズライセンスの100ユーザーが43万500円、200ユーザーが95万5000円、1000ユーザーが420万円、3000ユーザーが630万円など。スモールライセンスと、クラウドサービスとしての提供価格は、2013年2月にあらためて発表するとしている。

 なお、desknet'sの既存ユーザーは原則無償でdesknet's NEOへの乗り換えが可能。移行ツールについても、2013年2月の提供を予定するが、移行にあたっての技術サポートは、年間サポートの契約ユーザーにのみ提供される。


エンタープライズライセンスとスモールライセンスを用意
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