日本電子専門学校、日本マイクロソフトと連携して新学科開設


 日本電子専門学校は、日本マイクロソフト株式会社と連携し、「情報ビジネスライセンス科」を2013年4月に開設すると発表した。

 新設する「情報ビジネスライセンス科」は、Windows 8搭載タブレット端末を新入生全員に配布し、1人1台のPC環境を実現。カリキュラム作成にはマイクロソフトが日本電子専門学校と共同で当たり、マイクロソフト社員による授業も実施。

 マイクロソフトの教育機関向けクラウドサービス「Office 365 for Education」を活用して、授業や自宅学習を実施。電子メールやクラウドでのファイル共有、SNS、音声チャットなどビジネス現場での実践的なITツールの利用に加え、Microsoft Lyncのオンライン会議システムを利用して遠隔授業を行うなど、先進的なワークスタイルを実践しながら学ぶ環境を提供するという。

 資格試験では、Microsoft Office製品の利用スキルを証明する資格である「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」や、情報処理技術者試験「ITパスポート」等の資格取得を目指したカリキュラムを提供。基本的かつ実践的なITスキルと、問題解決やコミュニケーションなどビジネスで必要とされる“人間力”をあわせ持つゼネラリスト育成を目指す。

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員パブリックセクター統括本部 文教本部長 中川哲氏日本電子専門学校 校長 古賀稔邦氏

 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員パブリックセクター統括本部 文教本部長 中川哲氏は、これまでもマイクロソフトは産学協同で教育機関との共同プロジェクトなどを多数実施してきたが、「2年間のカリキュラムのまるごと全部を監修するような形でカリキュラム作成に取り組んでいる。ここまで踏み込むのは初めての取り組み」だと述べた。

 また、カリキュラムにはマイクロソフト社員による講義が2単位30時間組み込まれている。実務でどうビジネスを進めているかを教えるという。「ビデオ会議にも実践的なノウハウがあるので、そうした最先端の環境を使いこなすお手伝いをしたいと考えている」(中川氏)。

 マイクロソフトが担当する講義の中で、今年移転したばかりの、最新のセキュリティや環境を備えた日本マイクロソフト本社オフィスにも生徒を招き、実際のオフィス環境を見せる機会も設ける予定だという。

 スペシャリストを育成する専門学校で、ゼネラリストを育成する学科を新たに開設する理由について、日本電子専門学校 校長 古賀稔邦氏は、就職率が、大学が65.0%、専門学校が75.4%と厳しい状況の中、就職の現場で企業の人事担当者と話すと、「専門は基礎をしっかり、それより人間性重視」という現場のニーズが多く出てくると背景を説明。

 また古賀校長は、経済産業省が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」をあらわす概念として「社会人基礎力」を提唱、内閣府でも「人間力戦略研究会」を開催するなどして“人間力”の育成を図っている背景もあり、「情報ビジネスライセンス科」では経産省の提唱する「社会人基礎力」の概念に沿ったカリキュラムを組むと述べた。

 「情報ビジネスライセンス科」は2年制で、2013年4月1日開講、募集人員は40名を予定する。募集開始(一般入学願書受付開始日)は2012年11月1日。卒業時に専門士称号を付与する。

人間力とビジネス基礎力を育成するカリキュラム作成もマイクロソフトと共同で取り組むプロジェクトを組んで課題をクリアするなど、生きた学習を目指す
Office 365を活用してビジネス即戦力を目指すマイクロソフト社員の講義枠が30時間(2単位)模擬授業の様子。ビデオ会議やOffice 365を活用したファイル共有を活用する

 

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(工藤 ひろえ)
2012/11/1 06:00