ノーチラスと富士通が協力、「Asakusa」バッチ処理の性能と信頼性を強化


 株式会社ノーチラス・テクノロジーズは9日、Hadoop上で基幹バッチ処理を開発するフレームワーク「Asakusa Framework」と、富士通株式会社が開発・販売するデータ統合・活用製品「Interstage Big Data Parallel Processing Server」および統合運用管理ソフト「Systemwalker Operation Manager」との連携を実機検証によって確認したと発表した。「Interstage Big Data Parallel Processing Server」の特徴である高性能・高信頼性を実現する独自の分散ファイルシステムにより、基幹バッチ処理を実行する際の性能と信頼性を強化するという。

 ノーチラスによれば「ビッグデータをキーワードにHadoopを利用したシステムが急速に普及・拡大しつつあるが、基幹システムのデータ量増加に伴い、データ処理にかかるすべての時間の中で、既存システムとHadoopクラスタのファイルシステム(HDFS)の間でのデータ転送時間の長さが問題となっている。また、Hadoopのような分散システムの仕組みを基幹システムに適用するにあたって、障害に対する高い信頼性と実績のある運用管理基盤でのジョブの実行・監視・リカバリ対応が要求される」。

 富士通が提供する「Interstage Big Data Parallel Processing Server」は、Apache HadoopをベースとしてHadoopに独自の分散ファイルシステムを統合することで、通常のHDFSベースのシステムより高い性能・信頼性を実現する。富士通独自の分散ファイルシステムは、既存システムで使用しているストレージ上に格納されているデータに共有ファイルを介してHDFSからアクセスしデータ処理が可能なため、相互のデータ転送が不要となる。

 「Asakusa Framework」を使って開発された基幹バッチ処理アプリケーションを実行するにあたっても、このファイル共有の機能を使用することで既存システムとHDFS間のデータ転送が不要となり、トータルの実行時間を大幅に短縮することが可能という。

 今回、ノーチラスでは富士通協力の下、「Asakusa Framework」で開発したバッチアプリケーションを「Interstage Big Data Parallel Processing Server」環境および統合運用管理ソフト「Systemwalker Operation Manager」上で実行し、両製品の整合性と高い性能値を確認した。

 富士通は今後、基幹システム向けソフトウェアの開発を通じて得た技術やノウハウを基に、ノーチラスとともに顧客のバッチシステム開発に向けた豊富なソリューションを提供するとしている。

関連情報