NSSOL、企業向けIaaSのインフラにブロケードのイーサネット・ファブリック技術を採用


 ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(以下、ブロケード)は25日、新日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)が、同社の提供する企業向けクラウドサービス「absonne(アブソンヌ)」の新たなネットワーク基盤に、Brocade VCSファブリック技術を採用したと発表した。

 NSSOLでは、企業向けクラウドサービス(IaaS)として2007年より「absonne」を提供しており、さまざまな業種において、大規模ミッションクリティカルシステムの構築・運用を支援している。従来、そのインフラでは、大型コアスイッチを中核に据えるネットワーク構成が採用されていたが、ビジネスが拡大するにつれてサーバー数やシステム規模が増大。それに伴い運用管理も複雑化し、障害時やメンテナンス時に影響範囲が大きくなるという弊害が生じていた。あわせて、ケーブリングの煩雑さがネットワークの拡張を困難にし、柔軟な運用を妨げていたという。

 そこでNSSOLは、同時に進行していた第5データセンターの開設計画に合わせて、「absonne」のサービス基盤アーキテクチャを刷新する計画を立案。スパニングツリーを排除してフラットなレイヤ2ネットワークを構築できる「イーサネット・ファブリック」と、Ethernet(Data Center Bridging)をインフラとしてファイバチャネル(FC)プロトコルを利用するFCoEの、2つの技術要件に着目して複数の機器を比較・検証した。

 その結果、イーサネット・ファブリック、FCoEともに多くの導入実績によって実証されている点や、ボックス型スイッチによるスモールスタートと柔軟な拡張が可能な点、FC製品で非常に多くの実績を持つとともに、クラウドに対する明確なビジョンがある点などを評価され、Brocade VCSファブリック技術を搭載したスイッチ「VDX 6720-60」と、同スイッチとの親和性が高いファブリックアダプタ「Brocade 1860」の採用を決めた。

 NSSOLでは、ブロケードのサポートを受けながら新しいネットワークの設計・構築作業を進め、2012年7月に新たなネットワークが完成したとのこと。このネットワークでは、システム全体で99.99%以上の可用性を実現すべく、FCoEベースのデュアル・ファブリックを構成しながら、イーサネット・ファブリックベースのフラットな大規模レイヤ2ネットワークが構築され、すでに顧客へのサービス提供も行われている。

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