テクマトリックス、システム間テストを仮想化技術で効率化する「Parasoft Virtualize」

スタブを簡単作成


 テクマトリックス株式会社は30日、Parasoft Corporationが開発したサービス・アプリケーション仮想化ソリューション「Parasoft Virtualize」を発売した。

 Parasoft Virtualizeは、複雑化するシステムのテストを支援するツール。

 昨今の企業システムや組み込みソフトでは、さまざまなコンポーネントが相互接続する複雑なものとなっており、その品質保持が困難になっている。開発現場では効率よくテストを行う必要があるが、例えば接続先の外部システムが未完成だったりすると、その接続を必要とするテストの実施は大幅に制限されてしまう。このような場合、代替となるテスト環境を準備するのだが、その環境の構築・維持にも相応の工数が必要となってしまう。

 Parasoft Virtualizeでは、独自の仮想化技術により、スタブ(仮想アセット)を自動生成する。テストに必要な機能の振る舞いをエミュレートする仮想アセットを使うことで、接続したい外部システムが使えなかったり、未完成だったりしても、好きなタイミングで結合テストが可能になる。

 仕組みは簡単だ。Parasoft Virtualizeには、仮想アセットを自動生成する機能がある。例えば、すでに接続先のシステムが完成しているならば、テストシナリオに沿ったトランザクションを一度発生させると、Parasoft Virtualize内のプロキシがパラメータなどを記録してくれる。次回以降は、接続先の実システムを使わずとも、この記録された仮想アセットを利用してテストを行える。

 接続先のシステムが未完成の場合は、WSDLやXMLスキーマなどの定義ファイルから仮想アセットを自動生成できる。CSV・Excelなどのデータソースを使用してテスト用パラメータにバリエーションを持たせることも簡単に可能。さまざまなレスポンス(正常系・異常系)を返すことができる。

Environment Manager画面。Environment Managerではシステムのアーキテクチャを定義でき、テスト時にどの機能(サービス、コンポーネント、DBなど)を仮想化すべきかを明確にできるアセットの作成画面。テスト対象となるアプリケーションがあるサーバーとバックエンドの実システム間の通信ログから自動生成した仮想アセットが返すレスポンスの値を編集している。あらかじめCSVやExcelなどで用意しておいたテストデータを投入し、仮想アセットが返すレスポンス値をバリエーション化することが可能

 機能としてはこのほか、テストに必要な仮想アセットを即座にセットアップするWeb GUIが用意される。また、Parasoft SOAtestと連携することで、WebサービスやWebアプリケーションの機能テストや会期テストを自動化でき、テストの工数をさらに削減できるという。

 なお、Parasoft Virtualizeは、米Dor.Dobb's Journalが主催するJolt Awards 2012(優れた書籍やソフトウェアを選出するアワード)のユーティリティ部門で、40製品の中から1製品に授与されるJolt賞の栄冠を獲得している。

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