インフォブロックス、1秒あたり100万件のDNSクエリを処理可能なアプライアンス「Infoblox 4030」


Infoblox 4030

 インフォブロックス株式会社は10日、同社製品の最上位に位置するDNSキャッシング専用アプライアンス「Infoblox 4030」を発表した。ISPなどに向けて同日より提供を開始する。価格はオープン。

 Infoblox 4030は、ハイエンド向けのDNSキャッシング専用アプライアンス。DNSクエリを1秒あたり100万件以上処理できるが、従来の「Trinzic 4010」アプライアンスでは1秒あたり20万件のDNSクエリを処理できたため、その5倍の性能を持つ。逆に、同社の従来のアプライアンスが持っているIPアドレス管理(IPAM)などの機能は持たず、DNSクエリ処理に特化した製品として提供される。

 こうした高性能なアプライアンスが提供される背景として、米Infoblox プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのケビン・ディクソン氏は「スマートフォンの急激な増加と、利用するモバイルアプリケーションの変化」があると指摘する。

 具体的には、「メールやIMといったアプリから、FacebookやTwitterなどのソーシャルアプリへ利用の主軸が変化しているが、例えばFacebookでは、中に複数のURLが埋め込まれているので、ページを開くだけで24のDNSクエリが発生する。ISPでは大量のDNSクエリを処理しなくてはいけなくなった」とのことで、この現状から来るニーズに応えるために、Infoblox 4030を製品化したと話す。


スマートフォンとソーシャルアプリの普及によって、発生するDNSクエリが膨大になったとのこと。図中の数字は、そのアプリで発生するDNSクエリの数米Infoblox プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのケビン・ディクソン氏

 さらにInfoblox 4030では、ディープパケットインスペクション(DPI)エンジンを搭載しているのも従来にない特徴で、やってきたパケットが正常なものなのか、DDoS攻撃などを企図する悪意のあるパケットなのかを判断することが可能。このため、「よく利用されているオープンソースのBINDを利用する場合では、悪意あるトラフィックで負荷が上がってしまうとサービスが止まるが、DPIエンジンでそうしたパケットを落として、ISPは、お客さまの満足度を高めながらサービスを継続できる」(ディクソン氏)とした。

 また従来製品同様、複数の拠点に配置したアプライアンス間で、イメージ・設定・データを同期できる分散データベース処理技術「Infoblox Grid」をサポート。これによって「1秒あたり数十億のDNSクエリにも対応可能な拡張性と、障害時の高い可用性を実現する」(ディクソン氏)とのこと。


高い安全性も特徴高い性能と拡張性を備える
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