米Amazon Web Services、クラウドを利用したデータバックアップサービス「Storage Gateway」


 米Amazon Web Services(以下、AWS)は25日(米国時間)、データバックアップサービス「AWS Storage Gateway」を発表した。オンプレミス環境とクラウドストレージのAmazon S3を連携させ、オンプレミス環境のデータをクラウド上に保存することができる。

 AWS Storage Gatewayは、オンプレミスのIT環境とAmazon S3をシームレスに統合するもの。既存のアプリケーションの構成を変更せずに、オンプレミス上のデータをAmazon S3へバックアップできる。万一オンプレミス側のシステムが停止した場合には、このデータを使ってクラウド側から書き戻せるため、ディザスタリカバリ(DR:災害対策)用途でもクラウド環境を利用可能とのこと。

 また、Amazon S3に保存されるデータは、クラウド上の仮想ディスクであるAmazon EBSのスナップショットとして保存されるので、Amazon EBSのボリュームとしてクラウド上への復元も行える。加えて、サーバーを含めたオンプレミスのシステムに障害が起こった場合でも、Amazon EC2のリソースと連携させれば、システム全体をクラウド上で稼働させられるという。

 さらに、オンプレミスのアプリケーションからAmazon EC2上のアプリケーションへのデータ移行手段として、あるいはその逆の用途にAWS Storage Gatewayを利用することもできるとした。

 なお、AWS Storage GatewayはVMware(VMware ESXi 4.1)の仮想アプライアンス形態で配布され、ユーザーが持つオンプレミス環境の物理サーバーへ導入して利用する。このAWS Storage Gatewayのストレージボリュームは、iSCSIのデバイスとしてオンプレミスの既存アプリケーションサーバーにアタッチされる仕組みで、ストレージボリュームに書き込まれたデータが、スナップショットとして自動的にAmazon S3へアップロードされることになる。

 アップロードされるデータは、アップロード前に自動圧縮されるほか、各ゲートウェイで利用されるインバウンド、アウトバウンドの帯域量を制御可能。また、AWS Storage Gatewayは直接AWSのクラウドサービスへ接続することも、ローカルプロキシを介して接続することもでき、専用線サービスであるAWS Direct Connectにも対応した。アップロード先のクラウド環境も、AWSが持つ各リージョンをユーザーが選択できる。

 利用料金は、利用しているストレージゲートウェイ1つあたり月額125ドル。60日間の無料試用期間も設けられた。なお、スナップショットの保存料金として、1GBあたり0.14ドルの月額料金も発生する。

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