Attachmate Group傘下のノベルとNetIQ、2012年4月に国内組織を統合へ
2014年にはクラウドからの売上を3割に
SUSE プレジデント兼ゼネラルマネージャー、ニルス・ブラウクマン氏 |
4つのビジネスユニットとその売り上げ |
米Attachmate Group傘下のノベル株式会社とNetIQ株式会社は17日、SUSE部門のトップであるSUSE プレジデント兼ゼネラルマネージャー、ニルス・ブラウクマン氏の来日記者会見を開催。SUSE事業の展開や、米Attachmate Groupによる米Novell買収後の変化などについての説明が行われた。
Attachmate Groupではビジネスユニット制を採用しており、Novellの買収後は、Reflectionエミュレータなど主にレガシーシステム向けの製品を手掛ける「Attachmate」、ID管理やシステム管理などの製品を持つ「NetIQ」、グループウェアやエンドポイント管理製品を担当する「Novell」、Linuxを中心とする「SUSE」と、全部で4つのビジネスユニットに分かれてビジネスを行っている。またビジネス規模はそれぞれ2億ドル、3億5000万ドル、4億ドル、1億7000万ドルで、すべて合わせると11億ドルを超える、非上場企業としてはトップクラスの売り上げを持っているという。
この非上場という点について、ブラウクマン氏は「財政状況について市場に報告する義務はなくなったため、株主へ、耳障りのよい言葉で報告する必要はなくなった。株主とお客さまの要望は必ずしも同じではなく、(非上場企業であるために)当社はお客さまのニーズに注力できる」と述べ、大きなメリットがあると説明する。
また、持ち株会社として機能するAttachmate Groupが各ビジネスユニットをコントロールするという体制については、「大きな企業が持つ財務的な安定、規模などの恩恵を受けられる一方、各ビジネスユニットは独立して運営されており、お客さまの要望に焦点を合わせた意思決定ができる」とアピール。現在の体制がもたらすメリットは大きいとした。
さらにAttachmate Groupでは、「買収した企業を長期間保有し、現在も事業の中核として運営している」(ブラウクマン氏)ことを強調。長期的な視野に沿った買収をしているため、軽々しく事業をやめたりしないとし、事業の運営企業が変わったことへのマイナスの影響を否定している。
SUSEのビジネスについては、「20年にわたって常にLinuxに関するサービス提供を行ってきたが、さまざまな企業とのパートナーシップを行ってきた。例えば2000年にIBMと提携し、同社のメインフレーム上で動くLinuxを初めて市場に送り出している。以降、さまざまな提携を行っているが、こうしたパートナーシップがあることが重要なのではなく、成長を続け、信頼のおけるパートナーとして業界内で地歩を築いて来たことが重要だ」と過去を振り返り、そのビジネスの継続性をアピールする。
このIBMメインフレーム上でのLinux(Linux on System z)については、同日、三菱東京UFJ銀行が、メインフレーム「IBM System z」上に構築するSOA基盤のOSとして、SUSE Linux Enterprise Severを採用するとの発表も行われている。
また今後については、引き続きエンタープライズ分野への注力を表明。通常のサーバー向けはもちろんのこと、OEM向けにも継続して取り組むとし、組み込み向けLinuxについても注力するとした。新しい分野としては、SUSE Manager、SUSE Studioを用いたクラウドインフラの管理にも取り組むと説明。Open Stackを中心に、オープンソース技術に基づくソリューションを提供するという。
SUSEのマイルストーン | SUSEのビジネス状況 |
ノベルとNetIQで代表取締役社長を務める徳永信二氏 |
国内については、NetIQを中心にノベルとの2社体制で4事業を提供しているが、2012年4月に両組織を一体化する予定。製品は、日本語化の問題や国内でのニーズの有無などもあるため、すべてが国内で提供されているわけではないが、日本ですでに提供されている製品を中心に、各ビジネスユニット単位で事業を推進していくとした。
また、すでにあるパートナー網の活用を図る考えで、「当社では分野ごとに強力なパートナーがいる。国内では徹底したパートナー戦略をとり、パートナーを通じてビジネスユニット間のクロスセルを図る。またデータセンターやクラウドに関しても、注力を怠らずに進めていく」(ノベルとNetIQで代表取締役社長を務める徳永信二氏)という。
なお今後については、2014年に2011年と比べて売上高を倍増させ、そのうちクラウドビジネスモデルからの売上比率を30%に引き上げる計画。徳永氏は「現実味のある目標として取り組む」との決意を表明している。
今後の国内戦略 | 中・長期の方針 |