テクマトリックス、ソフト開発の構成・変更管理ツール新版「AccuRev 5.2」

アクセス制限を強化、WebGUIも搭載


 テクマトリックス株式会社(TMX)は1日、米AccuRev製ソフト構成管理・変更管理ツールの新版「AccuRev 5.2」の販売・出荷を開始した。

 AccuRevは、複数拠点での分散・並列開発やアジャイル開発に対応するソフト構成管理・変更管理ツール。開発プロセスを見える化・共有化する「StreamBrowser」画面上に、開発する製品の「構成サブシステム」「開発プロセス」「開発チーム」「開発拠点」(AccuRev上ではこれらを「ストリーム」と呼ぶ)や、開発者ごとの「ワークスペース」を一連のプロセスとして表現する。

AccuRevの特徴StreamBrowser

 各開発者は自分のワークスペースにて開発・変更したファイルを親プロセスに登録(プロモート)すると、その内容がほかのユーザーにも公開され、誰がどのファイルを作成・変更し、現在どのステータスにあるかが一元管理できる。

StreamBrowserの概要。ストリームとワークスペースで表現され、各ストリームをクリックすると関連するファイルなどの詳細情報にアクセスできる

 各構成サブシステムから分岐する並列/派生開発も同時に管理可能。次期リリース開発、保守開発、カスタムリリースなどある製品をベースに派生製品を開発する際に、バグが見つかると派生元に戻って修正し、修正点をすべての派生製品に反映させなければならず、工数が膨れあがることが問題となる。AccuRevでは、派生元で修正した内容が子プロセスに自動で反映されるため、大幅な工数削減が可能という。

現状の課題。派生開発におけるブランチやマージ作業の負荷が大きいAccuRevで行ったバグ修正の情報は自動的にほかのストリームに反映される

 また、課題ベースの管理が行えるのも特長。製品には課題(要求)がある。AccuRevを使って開発を行う際、どの課題に関連した作業なのかをひも付けて管理することで、要求の対応漏れや要求から外れた余計な開発を防止できるという。これにより、「どの課題」が「どの変更」に関連していて、「どういったプロセス」を経てリリースされたかを追跡するトレーサビリティが実現する。AccuRevには、この課題トラッキングシステムが標準で搭載されているほか、サードパーティ製の課題トラッキングシステムを連携させることも可能という。

ファイル・フォルダ(エレメント)ごとにACLを設定できるようになった

 新版では、セキュリティ機能が強化された。従来、不正に変更を登録(プロモート)させないように、特定のユーザー・グループに対する「プロモートロック機能」や、特定のユーザー・グループに対して、どのストリームの操作を許可するかを設定できる「アクセスコントロールリスト(ACLs)機能」などが搭載されていたが、より詳細にファイル・フォルダ(エレメント)ごとにアクセス制限できる「eACLs」を新たに搭載した。

プロモートロック機能ストリームごとのACLs機能

 また、従来クライアントアプリケーションとして提供されていた「StreamBrowser」のWebブラウザ版も新たに提供。複数拠点での並列開発などでより連携しやすい環境を整えた。

WebGUIを搭載Eclipseとの統合も可能

 加えて、今回からマシンを固定しないフローティングライセンス体系を採用し、ライセンスの有効活用できるようにした。用意されたのは、ライセンスを有効化してから1週間ユーザーが固定される「スタンダードユーザーライセンス」と、24時間ユーザーが固定される「フレキシブルユーザーライセンス」の2種類。1週間・24時間といった期間が過ぎると、ライセンスが解放され、別のマシン・ユーザーで使用できる。頻繁にユーザーが変わる環境では、24時間の「フレキシブルユーザーライセンス」が有効だ。ライセンス自体は買い取りで半永久的に使用可能。保守費用を1年ごとに更新する。

 価格は、スタンダードユーザーライセンスが19万8000円(税別)/ライセンス、フレキシブルユーザーライセンスが25万8000円(同)/ライセンス。トライアル版として1カ月5ユーザーで使用できるプログラムも用意している。また、2012年1月31日までにほかの構成管理ツールから乗り換えたユーザーを対象としたキャンペーンも実施。スタンダードユーザーライセンス×5、オンサイトサポート、トレーニングを含んで149万円(同)のところを89万1000円(同)で提供する。

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