DIS、WindowsスレートPCの活用促進を図る支援部隊を設立~3年で70万台の販売を目指す


DISの代表取締役社長、野上義博氏

 ダイワボウ情報システム株式会社(DIS)と日本マイクロソフト株式会社は5日、スレートPCの活用を支援するための部署「Windowsスレート促進センター」を、DIS内に設立すると発表した。設立は10月1日付け。「両社の技術や販売ノウハウを蓄積し、今後3年で70万台以上のWindowsスレート端末の販売を目指す」(DISの代表取締役社長、野上義博氏)という。

 同センターの役割は、大きく1)全国の販売店の相談窓口、2)案件内容やニーズに応じたソリューション提案、3)セミナーによる啓発活動やパートナーの育成、の3つ。1)では、ダイワボウが持つ全国1万7000の販売店からの問い合わせを受けるほか、2)では、Windowsスレート端末に特化した案件情報の窓口として機能する。


WindowsスレートPCを活用した企業向けソリューションを、トータルに提供するエンドユーザーからの要望を受けた代理店を、日本マイクロソフトやメーカーとのコラボレーションによって支援する
日本マイクロソフトの代表執行役社長、樋口泰行氏
発表会の会場には、各種WindowsスレートPCが展示されていた
既存PCの代替用途だけでなく、新規用途の掘り起こしも広く狙う

 こうしたセンターを両社が立ち上げた背景には、「スレート端末は、タッチパネル操作を基本としたわかりやすいインターフェイスが特徴のため、中堅中小企業や、顧客との接点を持つ部門、あるいは、使いやすさを生かした比較的ITリテラシーの低い方向けの分野など、新しい分野で成長していくのは明らかな方向性」(日本マイクロソフトの代表執行役社長、樋口泰行氏)という市場の動きがある。

 一口にスレート端末といっても、先行するiPadを始め、さまざまなAndroid端末が提供されており、Windows搭載のスレート端末以外の選択肢も、さまざまあるのが現状だ。こうした現状に対し樋口社長は、「スマートフォンもタブレットもまだまだ黎明(れいめい)期で、ハードウェアもソフトウェアも1社でまとめるAppleが先行しているが、パートナーと一緒にビジネスを作っていく当社では、その分広がりが期待できる」とコメント。

 また、Windowsを搭載したスレートPCであれば、これまでに活用してきたソフトウェアや周辺機器、開発者などの資産をそのまま活用可能というメリットを指摘。端末自体も10社から提供され、バリエーションが出てきたこと、Windowsデバイスであるためスレート端末でもきちんと管理できる、といった声が企業の情報システム部門から出ていることなどを挙げ、「Windowsのスレートへのニーズを大きく感じている」(樋口社長)とする。

 一方、「年間180万台のPCを販売し、国内シェア12%を占めている」(野上社長)というDIS側でも、「販売しているPCのうち、96%がWindows PC。エンドユーザーから上がってきたニーズをサポートするために、さまざまな端末を取り扱っているが、(ビジネス用途での)スレート端末でもWindowsが依然として主になるだろう」(DIS 専務取締役の安永達哉氏)との見方を示す。

 現状のWindowsスレートPCは、“サクサク感”やバッテリ持続時間などのスペックで、iPadやAndroid端末に後れをとっているのは、広く認められることだろう。しかし、ハードウェアの進化や今後提供される予定の次期Windowsなどで、こうした点の改善が見込まれるほか、「Windows Serverベースで社内システムを構築されている企業からすれば、連携のしやすさでは、ほかのスレート端末を大きくリードしている」(DIS 販売推進部の猪狩司部長)とのことで、コンシューマではAndroid、企業向けではWindows、といったすみ分けになっていくのではないかとした。

 具体的な利用シーンとしては、デスクトップPCやノートPCからの代替用途に加えて、サイネージ、営業支援、電子書籍など、これまでとは異なるさまざまな用途を想定しており、広く開拓していく考え。猪狩部長は、Windowsスレート促進センターでこうした活用提案を行うとともに、活用の事例・ノウハウを蓄積し、それらをベースにプロモーションを進めるといった、プラスのサイクルを回していくとした。

 なお、同センターの当初人員は、DISから最大10名程度がかかわるほか、日本マイクロソフトも技術者を常駐させるなどの支援を行うとのことである。

 「全国に87カ所の営業拠点を持ち、1万7000社のパートナーを持つ当社の営業力と、日本マイクロソフトの製品力の組み合わせで、より付加価値の高いソリューションを提供していきたい」(DISの野上社長)。

調査会社のレポートによれば、3年間で市場全体でも170万台程度の規模が想定されている想定が、そのうちの70万台以上の販売を目指すという日本マイクロソフトの樋口社長(左)とDISの野上社長(右)
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