ウイングアーク、新世代ダッシュボードの新ブランド「MotionBoard」

あらゆるデータソースから情報を統合可視化


 ウイングアークテクノロジーズ株式会社(ウイングアーク)は22日、新ブランド「MotionBoard」を発表した。データを統合可視化する新世代ダッシュボードソリューションとして展開する。

 MotionBoardは、あらゆる利用シーンに合わせて情報を可視化する新世代ダッシュボードソリューション。Dr.Sum EAエンジン、Oracle Database、SQL Server、IBM DB2、MySQL、CSVファイルなどさまざまなデータソースに対応。データソースごとに高速集計のための独自チューニングを施し、膨大なデータにも最適なパフォーマンスでの集計を実現する。

 特徴は、独自開発された「W-IMO(Double In-Memory OLAP)テクノロジー」。これにより、対象となるすべてのデータベースで自由なOLAPを実現している。

 具体的には、サーバーとクライアント双方にインメモリのOLAPエンジン「In-Memory OLAP」を搭載。サーバー側のエンジンが複数のデータソースから必要なデータを参照する。インメモリを実現したことで、データベースに手を加えることなく多次元集計できるという。また、複数のデータソースに、例えば担当者名が一致するようなデータがある場合は、自動的にこれを仮想統合。データソースを仮想的に1つのデータソースと見なせるため、すべてのデータベースでの自由なOLAPが実現するという。

 実は以前より「Dr.Sum EA MotionBoard」という製品が提供されていた。こちらはデータソースとしてDr.Sum EAエンジンのみに対応したが、今回はW-IMOテクノロジーでさまざまなデータソースに対応したのが特徴。この機能強化と同時に「MotionBoard」という独自ブランドに昇格させているのが新製品だ。

 サーバー側のエンジンが行うのはデータの参照まで。このインメモリOLAPデータをそのままクライアント側のエンジンに転送し、後の処理をクライアントのリソースにゆだねる。これが「W-IMOテクノロジー」の“Double”のゆえんとなる。

さまざまなデータソースを統合可視化W-IMOテクノロジーの概要。サーバー側・クライアント側のエンジンが連携する

 このメリットはクライアント側で高速に柔軟なデータ分析を行える点。クライアントはWindows PCのほか、iOS/Android版も提供する予定で、例えばスマートフォンの場合、一度データを転送してしまえば、オフラインでも利用できる。

PCとiOS/Android版のクライアントエンジンが提供される。PC版は8月29日より、iOS/Android版は11月に出荷予定

 もう1つ、「超高速チャート描画テクノロジー」を備えるのも特徴。一般的なソフトウェアでは、大量な本数の折れ線グラフを描画しようとすると、描画が遅くなったり、一本一本の線や点を把握するのが困難となる。このため、ほとんどのソフトは描画量を制限したり、大量なデータを表示させないようにしたりするが、「超高速チャート描画テクノロジー」はその課題を克服し、大容量データを複数表示しても高速に描画できるよう工夫されている。

 これにより、さまざまなチャート描画が可能な豊かなダッシュボード表現力を実現。ダッシュボードに表示されたグラフの中で、設定を割り込んだ場合に該当する個所を点滅させたり、浮き出させたり、飛び出させる「主張型アラート」を備え、視覚的にデータのどこを確認すべきか一目瞭然(りょうぜん)のインターフェイスに仕上げている。

豊富なダッシュボード表現を実現。問題個所を強調して知らせる「主張型アラート」を備える「超高速チャート描画テクノロジー」によりさまざまなチャート描画を実現
さまざまな利用シーンを提案している

 ウイングアークでは、新世代ダッシュボードに求められるものとして、刻一刻と変化するビジネスをリアルタイムにとらえる「Business Information」、欲しい情報をいつでもどこでも取得できる「Business Infrastructure」、蓄積されたデータから情報を取り出し洞察を得る「Business Intelligence」の“3BI”を提唱。用途としては、経営マネジメントボード、ブリーフィングツール、モバイルダッシュボード、管理状況の可視化ツールなどを挙げ、あらゆるビジネスシーンで利用可能な製品として、今回のMotionBoardを訴求する考え。

 価格は、1000万円(税別)/CPUから。2011年度下期で9000万円、2012年度で3億円の売上を目指す。

画面イメージ


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