日本HP、仮想化対応を強化したバックアップソフト新版

仮想マシンを一覧、ワンクリックで設定完了


 日本HPは6日、仮想化環境への対応を強化したデータ保護ソリューションの新版「HP Data Protector software(HP Data Protector) 6.2」を発売した。

 HP Data Protectorは、バックアップ・リカバリ環境を構築するデータ保護ソフト。仮想化対応の強化や運用の効率化を図った。


仮想環境への対応を強化

HP Data Protector 6.3の特徴
ワンクリックプロテクション:すべての仮想マシンが一覧表示され、チェックをつけるだけでバックアップポリシーを適用できる

 仮想環境で課題となるのが、物理/仮想混在環境におけるバックアップの複雑化。運用管理負荷は増大し、バックアップ漏れなども起こり得る。この課題を解決すべく、新版では仮想化に向けた新機能を複数搭載している。

 具体的には、新機能「ワンクリックプロテクション」を搭載した。すべての仮想マシンを一覧表示し、チェックボックスをクリックするだけで、簡単にあらかじめ設定しておいたポリシーを適用してバックアップが行える。

 「VMware vStorage API for Data Protection」にも対応。変更ブロックのトラッキングや、仮想マシンのバックアップ・リカバリ並列実行機能を搭載し、効率性を向上している。

 また、全体バックアップイメージからファイル単位でリカバリできる技術「Granular Recovery Extension」で仮想環境に対応。VMware上の個別ファイルごとのリストアが可能となった。

VMware上の個別ファイルごとのリストアが可能具体的にはSharePointの単一アイテムをリカバリするといったことができる



運用の効率化

 バックアップ運用の効率化としては、1つの画面で物理/仮想マシンからストレージ、アプリケーションまで一元管理できるシンプルな管理画面を提供し、ワンクリックでのバックアップ・リカバリを実現する。

 特に今回、異種ハードウェアのリストア機能、およびLinuxに完全対応した拡張自動障害復旧機能(EADR)を提供し、災害復旧への対応を強化している。EADRはデータ領域・システム領域双方のバックアップ・リカバリを可能にするもので、従来はWindowsのみでしか利用できなかったという。

 また、「Windows Server 2010 Data Availability Group(DAG)」に対応。複数サーバーに配置されたDAGコンポーネントをワンクリックプロテクションで簡単に保護できる。

 また「ゼロダウンタイムバックアップ(ZDB)機能」が3PAR製ストレージに対応し、「インスタントリカバリ機能」が「StorageWorks P4000」に対応するなど、機能拡張が図られた。


ライセンス体系の刷新

 ライセンス体系は新たにプラットフォームごとのスターターパックを基本ライセンスに位置づけ、より明確さを打ち出した。オプションで「追加ドライブ」「オンラインバックアップ」といったライセンスを購入することで、複雑な環境にも対応する。

 スターターパック使用権の価格は、Windows版/Linux版がそれぞれ18万7950円、HP-UX/SAN版が70万3500円。なお、HP Data Protectorでは、バックアップ対象となる物理サーバーの台数やCPUコアの数に影響を受けない独自体系を採用しており、無制限のクライアントライセンスが無料で付属する。

無制限のクライアントライセンスが付属する独自のライセンス体系他社製品と比べた価格優位性

 今後の方針としては、「パートナー施策を拡充し、HP製ハードウェアを取り扱うパートナーから、ハードウェア+HP Data Protectorのソリューションを提供できるよう体制を構築していく」(春木氏)としている。その第一弾として、横河レンタリースとSVI(Service Integrator)契約を締結。ハードウェア+HP Data Protectorの一貫した販売・構築・保守体制を整えたとした。

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