IPv4アドレス在庫枯渇の第2段階、APNICが申請手順を変更


 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、APNICがIPv4アドレスの申請取り扱い手順を14日付で変更したと発表した。

 APNICはアジア太平洋地域の地域インターネットレジストリ(RIR)で、同地域において各国へのIPアドレスの分配を行っている。日本のISP事業者なども、JPNICを通じて、APNICが保有するアドレスブロックから分配を受ける流れだ。

 未分配のIPv4アドレスブロックについては2日3日、グローバルでIPアドレスを管理しているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)に残っていた“中央在庫”がついに底を突き、今後は世界5地域のRIRに分配済みのブロックから各事業者に分配されるのみとなる。

 APNICでは、IANAの中央在庫が枯渇してから、APNICの在庫が「/8」単位(アドレス約1678万個)で残り1ブロックになるまでを「IPv4アドレス枯渇の第2段階」としており、次に来るAPNICにおける在庫枯渇を見据え、申請手順を変更したかたちだ。

 JPNICによると、手順変更の概要は以下の通り。

  • IPv4アドレスの割り振り申請に関するAPNICからのすべての返信は、5営業日後とする。
  • 申請内容に関する審議は、審議チーム全員で行う。APNICが定める基準を超える申請サイズの際に行われる、APNIC上層部による承認プロセスは、現行より変更はない。
  • 申請を受理した順番にシリアル番号を振り管理する。また、申請に関する対応は「先着順」に行う。

 JPNICでは、APNICが手順を変更した意図として、「APNICとして本格的な在庫枯渇準備期に入ったことをAPNIC会員に周知し、提出される申請の内容によって、確認項目や判断内容、返信日に差が生じることを極力防ぐことを目的としていると考えられる」と説明している。

 なお、JPNICにおいても申請取り扱い方針の変更を検討するが、 現時点では従来から変更はないとしている。また、IPv4アドレスの在庫枯渇に向け、IPv4アドレスの分配を申請する予定がある事業者は速やかに準備するよう呼び掛けている。

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